SF作家・山本弘さん、誤嚥性肺炎で死去 68歳 『アイの物語』、『百鬼夜翔』シリーズ、「と学会」初代会長など

作家・ゲームデザイナー 山本弘さん 死去

作家・ゲームデザイナーの山本弘さんが、3月29日に誤嚥性肺炎で亡くなった。68歳だった。4日、東京創元社の公式ホームページ、山本さんのX(旧ツイッター)などで発表された。葬儀は近親者で営まれた。

山本さんのXでは、娘が代わって「去る3月29日午前10時12分、山本弘は誤嚥性肺炎のため永眠いたしました」と公表。「2018年に脳梗塞を発症後、皆様の応援に支えられながら、6年に渡る闘病生活を送った末、穏やかに旅立ちました。好奇心旺盛だった故人は、良き仲間にも恵まれ、自分の好きなことを全力で楽しんでいたと思います。生前中のご厚誼に深く感謝申し上げると共に、謹んでお知らせいたします」と伝えた。

その上で「葬儀につきましては近親者のみで執り行いました。故人の希望もあり、香典・供花・供物・弔問・弔電につきましては、ご辞退申し上げます。これまで応援してくださった読者の皆様と、支えてくださった全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げます」と呼びかけた。

山本さんは1956年、京都府生まれ。京都市立洛陽工業高等学校卒業。1978年、「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作を受賞し、88年『ラプラスの魔』で本格的に小説家デビューを果たした。その前年に設立されたクリエーター集団「グループSNE」の一員として、テーブルトークRPG〈ソード・ワールド〉の立ち上げに参画、〈サーラの冒険〉シリーズをはじめとする〈ソード・ワールド〉に基づく小説の執筆、テーブルトークRPG〈ガープス〉から派生した〈妖魔夜行〉〈百鬼夜翔〉シリーズの小説版を手がけた。

オリジナルの作品として『時の果てのフェブラリー』などライトノベルレーベルでのSF作品をはじめ、『闇が落ちる前に、もう一度』『シュレディンガーのチョコパフェ』など本格的なハードSF短編集を発表し、2011年に『去年はいい年になるだろう』で第42回星雲賞(日本長編部門)を、16年には「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞(日本短編部門)をそれぞれ受賞した。また、本格ミステリ大賞候補となった『僕の光輝く世界』などミステリ作品へのチャレンジのほか、漫画原作やアンソロジー編集まで幅広いジャンルで活躍してきた。

代表作に、第28回吉川英治文学新人賞ならびに第27回日本SF大賞候補となった『アイの物語』のほか、『神は沈黙せず』、〈MM9〉〈BISビブリオバトル部〉シリーズなどがある。また、「と学会」初代会長をつとめ、トンデモ本ブームの先駆者でもある。

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