「iPhone 16」のベゼルはさらに薄型化、そのためディスプレイ生産が難航か

Image:Apple/YouTube

今年秋に登場とみられる「iPhone 16 Pro」および「iPhone 16 Pro Max」では、前モデルより僅かにディスプレイが大きくなると噂されている。そのアプローチの1つが、画面周りのベゼルを薄くすることだ。本体サイズの大型化を抑えつつ、表示面積を広くするというわけだ。

しかし、アップルの主要サプライヤーにとってもベゼルを薄くする新技術は実現が難しいとのサプライチェーン情報が伝えられている。

韓国の電子業界誌The Elecは、iPhone 16シリーズの有機ELパネルは一部設計が変更され、サムスンディスプレイとLGディスプレイの両パネルメーカーとも生産歩留まりの向上に苦労しているという。それは中国BOE(廉価モデル「iPhone SE 4」用パネルの主要サプライヤーとの噂)が多くの数量を作ることが難しいレベルのようだ。

iPhone 16シリーズの有機ELパネルは、下部ベゼルを薄くするBRS(Border Reduction Structure)技術を採用しているとのこと。現地メディア・時事ジャーナルの報道とも符合しているが、今回の説明はより詳しい。

薄いベゼルを実現するには、ベゼル下の回路をより緊密に配置し、一部の配線を下に折り曲げる必要があり、技術的な難度が高くなる。そのため、どの企業もアップルが望む水準の生産歩留率を安定的に確保できていないとのことだ。

またiPhone 16シリーズも、ここ数年と同じくサムスンが4機種すべての有機ELパネルを供給。LGディスプレイもProモデル2つに供給を目指し、BOEは下位モデル2つ(「iPhone 16」と「iPhone 16 Plus」)だけに特化する見通しだ。。

今回の報道では、iPhone 16 Proモデルのベゼルがどれほど薄くなるのか、具体的な数値は明らかにされていない。信頼性の高いアナリストらは、「iPhone 16 Pro」の画面サイズが6.3インチ、「iPhone 16 Pro Max」が6.9インチと微増しつつ、本体サイズはさほど大きくならないと予想していた

ちょうど著名リーカーSonny Dickson氏がX上でシェアしたiPhone 16シリーズのダミーモデルでも、Proモデルの方が標準モデルよりも少し大きくなっていることが確認できる。このわずかな大型化が、実際の使いやすさにどう影響するかは興味深いところだ。

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