自民、政治資金パーティー裏金事件 本県の簗氏は役職停止6カ月 上野氏は処分の審査対象外

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け開かれた党紀委員会=4日午後、東京・永田町の党本部

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、党紀委員会は4日、党則に基づき、関係議員ら39人の処分を決めた。

 本県関係では、安倍派の簗和生(やなかずお)衆院議員が党役職停止6カ月の処分となった。

 簗氏は同派から2018~22年の5年間で計1746万円の還流を受けた。政治資金収支報告書には、受領した額を個人名義での寄付として、実態と異なる形で記載していた。

 処分を受け、簗氏は下野新聞社の取材に「自身には中抜きや私的使用は一切なく、使途も全て国民に公開している。不記載には当たらず、悪意や意図はないことは明白だ」とコメント。今後については「変わらず地元の発展に貢献するべく、日々の活動にまい進するのみ」とした。

 一方、18~22年の5年間で同派からの還流分計318万円が不記載だった同派の上野通子(うえのみちこ)参院議員は、処分の審査対象になっていなかった。

 上野氏はこの日、取材に対し「還流問題で国政が停滞したことはざんきに堪えず、心から申し訳ない」とした上で「金額の大小にかかわらず、不記載に責任がある。政治活動を通し政治的な使命と責任を果たしていく」との考えを示した。

 同派幹部の一連の対応には「なお疑問を感じている」として、還流が復活した経緯を幹部自らが調査して明らかにすべきだと指摘した。

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