若者よ! 「投票しなくて、いいわけ?」…若年層の投票率2割 選挙離れに鹿児島市選管「ヒス構文」で対抗

挑発的な言葉で投票を促す鹿児島市議選の啓発ポスター。インフルエンサーのマリアさんも登場

 「投票しなくて、いいわけ?」。鹿児島市議選(7日告示、14日投開票)を前に、市選挙管理委員会が挑発的なキャッチフレーズの啓発ポスターを製作した。若者を主なターゲットに、危機感をあおって投票率向上を目指す。

 ポスターはB3判3種。「忙しいって? それってお母さんが暇って言いたいってこと?」「土日は泊まりで釣り? 僕の一票だけで鹿児島が変わっちゃってもいいんだ」といった言葉が並ぶ。若者から「ヒス構文」と呼ばれる、論理をすり替え相手に罪悪感を抱かせる話法で、政治参加の意義を逆説的に訴える。

 モデルの一人には、交流サイト「インスタグラム」で活動する同市のインフルエンサー・マリアさんを起用。10、20代の関心を掘り起こすのが狙い。

 3000枚印刷し、公共施設や大型スーパー、コンビニなど市内512カ所で1日から掲示している。JR鹿児島中央駅の東西の大階段には「階段アート」もお目見えし、通勤通学する人にもアピールする。

 前回2020年の市議選は全体の投票率が37.32%。年代別(9投票所の抽出)では、20代20.20%、30代23.35%と若年層の選挙離れが目立つ。市選管事務局の山下雅人管理啓発係長は「ポスターの言葉に気を悪くする人がいたら申し訳ないが、若者へのインパクトを重視した。少しでも印象に残り、投票所に足を運ぶきっかけになれば」と話した。

ヒス構文を使った鹿児島市議選の啓発ポスター別バージョン
鹿児島市議選への投票を呼び掛ける階段アート=2日、鹿児島市のJR鹿児島中央駅

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