公示地価県央地域 住宅地、上昇率が拡大 相鉄線の延伸効果が顕著に 海老名市・座間市・綾瀬市

国土交通省が3月26日に発表した2024年1月1日時点の地価公示で、県央地域の全ての市町村で住宅地の上昇率が前年よりも拡大した。相鉄線沿線の大和市と海老名市では4%以上、座間市で3%以上、厚木市でも2%以上の上昇率となった。

国交省の資料をもとに神奈川県が作成した「令和6年地価公示の概要」によると、県内の調査地点は市街化区域の住宅地を中心とした1787カ所で、商業地358カ所、工業地72カ所などが含まれている。

県内の住宅地は前年より上昇した地点が全体の89・4%で、下落地点では下落率が前年より縮小したことから、県全体の変動率は2・8%(前年1・4%)と上昇率が拡大した。

住宅地の上昇率が茅ケ崎市に次ぐ県内2位の4・8%だった大和市では、これまでも交通利便性が良かったところに相鉄・東急直通線の開業により東京方面や新横浜駅へのアクセスが向上。大和駅徒歩圏の需要が旺盛で高い上昇率を示した。

上昇率順では県内6位に大和市深見台2丁目(以下省略)の9・7%(23万8千円/平方メートル※前年21万7千円)、同9位に大和市深見台4丁目(同)の9・4%(24万4千円/平方メートル※前年22万3千円)が入ったが、いずれも大和駅から徒歩1キロ以内の地点だった。

県内住宅地の平均価格は20万2900円で、2003(平成15)年と1987(昭和62)年の水準とほぼ同じ価格となっている。

商業地は厚木市で7%以上、大和市と座間市で5%以上、海老名市で4%以上、綾瀬市も3%以上の上昇率で、今年は下落した市はなかった。

工業地も全ての地点で上昇を示し、県全体の変動率は5・9%(前年4・3%)と上昇率が拡大した。圏央道や新東名高速道路の延伸などにより、周辺の工業地の地価が継続して上昇。個別の地点では、厚木市は横浜市鶴見区など4区に続き、県内上昇率順の5位に入った。前年に県内1位だった厚木市緑ヶ丘5丁目(以下省略)が14・8%(14万円/平方メートル※前年12万2千円)で今年も3位に入った。

地価公示は、土地の取引の指標を提供し、公共事業用地の取得価格算定の規準になるなど、適正な地価の形成に役立つものとして、毎年1月1日時点の価格を国土交通省が公表している。

価格は1平方メートルあたりの正常な価格とされ、売り急ぎや買い進みなどの特殊な事情がない場合の取引価格とされている。

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