青森県、在宅勤務を本格導入 知事部局の職員3800人対象 生産性向上、効率化目指す

 青森県は本年度、知事部局の職員約3800人を対象に在宅勤務を本格導入する。現在は育児・介護中に限って認めているが、準備が整い次第全職員に対象を広げる。時間や場所を選ばない多様な働き方を「県庁スマートワーク」とし、軽量のノートパソコンなど持ち運びしやすい端末を今後5年間で順次配備。生産性向上や業務効率化を目指し勤務体系を見直すことで、県内企業の取り組みも促したい考えだ。

 県は2022年度に在宅勤務制度を導入。育児や介護をしている職員を対象に週1回に限り認めている。本年度中にこの制限を大幅に緩和し、週4日、月10日以内を目安に全職員に在宅勤務を認める。申請時に理由は問わない。

 これに合わせ、重量が2キロほどあり持ち運びを想定していない職員配備のノートパソコンを、より軽量のパソコンやタブレットに順次更新する。機器の持ち出しに対応した情報管理のルールも新たに定める。

 勤務時間を柔軟に決められるフレックスタイム制度も育児・介護をしている職員向けに導入し、来年度以降全職員に拡大する。県職員の勤務時間は午前8時半から午後5時15分までの1日7時間45分(昼休憩は除く)だが、フレックスタイムでは始業と終業時刻を各自設定する。週平均38時間45分を目安に、日によって勤務時間を減らしたり増やしたりできる。

 パソコン上で説明者の画面を共有できる「ペーパーレス会議システム」も導入。職員向け無線LANは25年度末までに本庁舎全体に、27年度末までに出先機関に整備する。生成人工知能(AI)、文書管理ソフトも活用するほか、現在は紙で行っている決裁を電子上でできるようにする。

 総務省の統計によると、青森県のテレワーク実施割合(22年)は7.2%。都道府県別で45位と普及が遅れている。県行政経営課の徳差達哉副参事は「移動や資料をコピーする時間を省き、相談業務などに振り向けられれば、県民サービスの向上につながる。県内企業が参考にできるような働き方を実現したい」と話している。

© 株式会社東奥日報社