スペイン代表FWラミン・ヤマル(バルセロナ/スペイン)が、今夏に開催される2つの大会への参加について言及した。
弱冠16歳ながら、すでにバルセロナで主力を張っているヤマル。その活躍はクラブのみに留まらず、スペイン代表でも印象的なプレーを披露している。
2024年夏は、2つの大きな大会が開催される。ドイツで行われるUEFA EURO 2024と、パリで行われるオリンピックだ。
スペインサッカー連盟(RFEF)はヤマルに大きな期待をかけており、メンバー入りがほぼ確実と言えるEURO本大会に加えて、パリ五輪にも同選手を招集したいと考えていることが各メディアをとおして報じられている。だが、ここで懸念されるのが“ペドリケース”の再来だ。
ヤマルと同様にバルセロナでプレーするスペイン代表MFペドリは、2021年にUEFA EURO 2020と東京オリンピックに“ダブル参戦”。しかし、このフル稼働が祟ったのか、以降はハムストリングの負傷を繰り返すようになった。ペドリは現地時間3月3日に行われたラ・リーガ第27節のアスレティック・ビルバオ戦でも右足大腿直筋を損傷しており、現在も戦線離脱中だ。
当然、バルセロナとしても、フィジカルが未完成のヤマルを必要以上に酷使する事態は避けたいところ。同クラブでスポーツディレクターを務めるデコ氏も、ヤマルの“ダブル参戦”に懸念を示すコメントを出している。
当の本人も、自信を取り巻く状況を冷静に見ている。スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』のインタビューに応じたヤマルは「(EURO本大会とパリ五輪の)両方に行くのは論理的ではない」とし、休養の重要性を語った。
「キャリアをスタートして以来、僕は負担をかけすぎないようにプレー時間を意識してきた。そういった意味では、両方の大会に行くことは意味がない」
一方、ヤマルは「もし僕が行かなければならないのであれば、スペインを背負ってプレーするわけだし、それは夢でもある」とも語っている。
サッカー界では、過密日程による選手の酷使が問題視されて久しい。“ペドリケース”を経験しているバルセロナとしては、ヤマルの稼働状況により一層気を配ることになる。