打てなくても必要? レンドン出場時3年連続勝ち越しのエンゼルス

球界有数の「不良債権」として批判の目にさらされているのがアンソニー・レンドン(エンゼルス)だ。7年2億4500万ドルの大型契約を結んでいるにもかかわらず、まともに稼働できたのは移籍1年目の2020年だけ。移籍後の4年間で60試合以上に出場したシーズンは1度もない。今春は「野球は生計を立てるための手段。自分のなかで最優先事項になったことは1度もない」と空気を読めない発言でバッシングを受けた。しかし、レンドン出場時のエンゼルスの戦績を見ていくと、レンドンがチームにとって必要不可欠な存在であることが浮かび上がってくる。

過去3シーズン、相次ぐ故障によってまともに稼働できていないレンドン。レギュラーシーズン162試合のうち、2021年は58試合、2022年は47試合、2023年は43試合しか出場できなかった。ただし、レンドンが出場した試合でエンゼルスは3年連続勝ち越し。2021年は33勝25敗(欠場時44勝60敗)、2022年は26勝21敗(同47勝68敗)、2023年は22勝21敗(同51勝68敗)と白星が先行しているのだ。今季もレンドンがここまで19打数ノーヒットと全く打てていないにもかかわらず、エンゼルスは開幕6試合で4勝2敗。レンドンが出場した5試合でも3勝2敗と勝ち越している。

もちろん、このデータだけで「エンゼルスはレンドンが健康なら勝てる」と結論づけるのは早計だろう。レンドンが試合に出場している期間は、エンゼルスにとってチーム全体で故障者の少ない時期でもあり、ほかの期間と比べて勝率が高いのは当然と言える。だが、過去3シーズンのエンゼルスを見てみると、レンドンの故障によってほかの選手に負担がかかり始め、故障者の続出につながっているケースもある。全盛期ほどの活躍は期待できなくとも、レンドンが健康にプレーし続けることがエンゼルスにとって重要であるのは間違いない。

レンドンは今季5試合に出場して19打数0安打、1四球で打率.000、OPS.050という最悪のスタートを切った。データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出するWARは-0.5となっており、この状況で1番打者に起用されているため、批判の的となっている。しかし、それでもエンゼルスは4勝2敗でア・リーグ西地区の首位タイにいる。今後レンドンが最悪の状態を脱し、全盛期レベルとはいかなくとも、健康を維持したうえで平均レベルで打ち始めれば、今季のエンゼルスは面白い存在になるかもしれない。

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