定期預金の金利が「0.070%」に回復!「すでに預けている」お金の金利はどうなるの?

定期預金の金利はどのように変更されたのか

定期預金の店頭金利が改定されるなどのニュースや報道を、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。複数の金融機関で、昨年から本年にかけて定期預金の金利が改定されています。具体例を二つご紹介します。

【株式会社三井住友銀行/スーパー定期】
表1

※株式会社三井住友銀行「円定期預金店頭金利変更のお知らせ」を基に筆者作成

従来は全ての預入期間で金利は0.002%でしたが、5年以上の預け入れから大きく金利が上昇し35倍に、10年では100倍まで上昇しています。

税金を考慮しないでどのくらいの利息になるか計算してみましょう。300万円を金利0.002%で預けた場合の利息は60円、金利0.2%になると600円にもなります。預入金額が多く場合、預入期間が長くなるほど利息は高くなるため、その差は歴然です。

ただし利息分にも税金が課せられるため、実際にはもう少し利息は減ります。

【株式会社ゆうちょ銀行/定期預金】
表2

※株式会社ゆうちょ銀行「貯金の金利の沿革」を基に筆者作成

株式会社ゆうちょ銀行も、2024年1月15日に金利を引き上げました。これまで0.002%であった金利を、5年定期貯金においては0.070%と35倍に引き上げられました。

すでに預けてある貯金の金利はどうなる?

金利の引き上げについて説明しましたが、今まで預けていた貯金の金利はどうなるのか疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。とある銀行では、以下の注意事項が記載されています。

__●すでに預入済みの貯金金利は、預入時の利率が満期までの期間適用される
●満期時に自動継続扱いされている定期貯金は、継続日の利率が適用される
●現在預けている定期貯金を預入期間内に払い戻すと、預けた時の適用金利より低い金利が適用される__

上記から、現在預けている貯金に関しては、今までの利率が適用されることが分かりました。ただし金融機関によっても対応が異なる可能性がありますので、まずは自分が預けている銀行での対応を確認してみましょう。

すでに預けてある貯金を現在の金利で預ける方法はあるの?

金利の低いときに定期預金を始めている方は「今の預金を引き出してから、現在の金利で預けられないか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

基本的に定期預金は、満期を迎えるまでは引き出せないとされています。

ただし、満期を迎えていない定期預金でも、やむを得ない場合には途中解約が認められる場合があります。途中解約をする際には、満期を迎えた定期預金と比較すると金利の低い「中途解約利率」が適用されることを理解しておきましょう。

一方で「中途解約利率」は元本が保証されているため、定期預金を預けてからの期間がそれほど経過していない方は、途中解約をしてもメリットはあるかもしれません。

具体的な金利や条件などは預金の種類によっても変わるため、お金を預けている金融機関に問い合わせてください。

預けている預金には新しい金利が適用されないケースがある

大手銀行などの金融機関で定期金利の引き上げが実施されていますが、一般的に預入時の金利が適用されます。そのため、定期預金の金利が上がっても、現在預けている定期預金には変更後の金利が適用されないケースが一般的です。

ただし、金融機関によって対応が異なるケースもあるため、詳細を確認したい方は預金中の金融機関に確認しましょう。

また、状況によってはいったん預金を途中解約して新たに定期預金を組む方が多くの金利を得られるかもしれません。老後や将来の資金として、元本割れのない定期預金をうまく活用しましょう。

出典

株式会社三井住友銀行 円定期預金店頭金利変更のお知らせ
株式会社ゆうちょ銀行 貯金の金利の沿革

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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