「ムカつくけど...」大谷翔平の移籍1号記念ボール巡る舞台裏――推定10万ドル相当も、球団は“悪条件”で取引「もう少し温かい対応を期待していた」

大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)の移籍1号記念ボールを巡り、その舞台裏で混乱が生じていたことが、地元メディア『Dodgers Nation』で伝えられている。

現地4月3日に行なわれたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦の第4打席、大谷は右翼席へ今季初アーチを放った。その歴史的な一球は、ドジャースファンであるアンバー・ローマン氏の足元に落ち、彼女はそのボールを拾い上げて夫らとともに喜びを分かち合った。

だが、喜びは束の間の出来事だったという。『Dodgers Nation』のダグ・マッケイン記者の単独インタビューに応じたローマン氏は、その瞬間を振り返った。「警備員が近づいてきて、手招きで呼ばれたのよ。最初は何か悪いことでもしたのかと思った」と話し始め、こう続けた。

「彼らは『ボールを獲ったご褒美をあげたい』と言った。それでブルペンの真横のゲートまで連れていかれ、中に招かれた。だけど夫や一緒にいた友人の同伴は許されず、彼らは『元に戻ってろ』と言った」
当初、彼女は記念ボールに直接大谷のサインを求めた。だが「それを取って置くつもりなら、彼はサインをしたがらないし、僕らも応じられない」と拒否されたのだ。そこで「『何と交換してくれるのか?』と尋ねると、彼らはサイン入りの帽子2つだけだった。『他に何かもらえないのか』と要求すると、バットとボールを追加したのよ」と明かした。ちなみに彼女は、直接大谷に会うこともお願いしたが、叶わなかったようだ。

オークションで4桁の値がつくことが一般的なことからも、今回の歴史的な記念ボールは6桁の価値があったと推測する専門家がいる。それでもローマン氏は、「正直、後悔はしていない。生涯ドジャースファンとして、この経験は十分に意味があるものだった。本当に感謝している。でも本当に10万ドル(約1500万円)を逃したのかしら? そう考えるとムカつくけど、済んだことだから仕方ないよね」と気持ちを切り替え、「ドジャースファンとして、もう少し温かい対応を期待していたけど、その場で決断しないといけなかったのは本当に悲しかった」と悔しそうに語った。

華々しい移籍初ホームランの裏で起きた今回の出来事。それだけに球団の対応の悪さが目立ってしまったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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