『おいハンサム!!』は変更が頻出? 吉田鋼太郎は「これが意外と良かったり」と監督を絶賛

2022年1月期に放送され好評を博したテレビドラマ『おいハンサム!!』の続編として、4月6日から東海テレビ・フジテレビ系で放送がスタートする『おいハンサム!!2』の第1話プレミア試写会が、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催。上映終了後の舞台挨拶に、主演の吉田鋼太郎と原作者である伊藤理佐、そして脚本・監督を務めた山口雅俊の3名が登壇した。

Season2の撮影は半年以上前に行われたとのことで、この日上映された第1話の感想を求められるや、吉田は「おもしろかったです」と即答。「どういうふうに撮影したかわかっていても爆笑してしまうシーンがいくつもあって、今回は第1話からコルセットをして自由を奪われている状態。自分がそんな状態でどういう演技をしているのか初めて観たのですが、あれは山口監督が僕に仕掛けた嫌がらせですね(笑)。僕の自由を奪いに来たのかなと思いました」と会場の笑いを誘う。

一方で山口監督は、吉田がそのコルセットを外す終盤のシーンが「第1話の勝因だった」と自信をのぞかせ、「撮っている時から首が回る合成カットが勝負だと話していたのですが、なかなかうまくいかなかった。でもいざ出来上がってみると、吉田さんの首が思った以上によく回る。なので合成カットは数秒しか使っていないんです」と明かし、伊藤は「あれ自前で回っていたんですか!?」と驚きの表情。

すると吉田は「撮影の時に『合成で首がグルンと回るようにするから』と言われていたので、てっきり『エクソシスト』で悪魔に取り憑かれたリーガンが首を一周させるシーンみたいになるのかと楽しみにしていましたが、そういう予定ではなかったんですか?」と訊ね、山口監督は「そんなことはないです」と苦笑い。茶目っ気たっぷりの掛け合いで会場を沸かせていた。

さらに吉田の口から「Season1の時は面食らったけれど、もうSeason2では慣れているので心地良い」と、撮影現場の裏話も飛び出す。「山口監督は口うるさく注文をする人ではないのですが、とにかく変更が多い。その場で10行や20行ある長台詞を覚え直さなきゃいけないので、台詞を言うのに精一杯になって、プラン通りの演技にならないし余裕もなく、ただ台詞を言っているだけの状態に陥ってしまうんです」。

「でも仕上がった映像を見てみると、これが意外と良かったりする。そうするといままで自分がやってきた演技は何だったんだろうと思ってしまうのですが、山口監督は吉田鋼太郎の新しい一面を開眼させてくれた恩人でもあります」と感謝を伝え、「とにかくいいものを作ろう、もっともっと、まだまだという人なので、我々俳優やスタッフもそれに乗っかっていき、破綻をきたさないところがこの人の凄さ。山口監督の現場で演出を受けるのも楽しいし、出来上がった作品を観るのも楽しくて有意義なことです」と褒めちぎった。

そしてこの舞台挨拶中に、4月6日の第1話のテレビ放送をもって解禁となる映画『おいハンサム!!』の特報映像がひと足先にお目見え。その冒頭に出た“なぜか映画化”というワードに吉田は「本当にこういう気持ちです」と満面の笑みを浮かべ、伊藤も「ひとりで地味に漫画を描いていて、それがおもしろい監督に見つかって、ハンサムな吉田さんにやってもらって、おもしろがってくれる人がいっぱいいて。本当に漫画ってすごいなと思っています」と感無量の面持ち。

最後に吉田は、「撮影をしていて自分がワクワクドキドキして、これがどう映画になってスクリーンに映しだされるのだろうか、早く観たいなと思っていたぐらいなので、きっとみなさんにも楽しんでもらえると思います。『おいハンサム!!』テイスト満載の映画になっていると思うので、ご期待ください」と呼びかけていた。

(文=久保田和馬)

© 株式会社blueprint