【中日】レジェンド岩瀬氏と福留氏が解説 開幕5試合のポイント「高橋周の守備が、悪い流れを断ち切った」

テレビ愛知

中日ドラゴンズのレジェンド、岩瀬仁紀さんと福留孝介さんに、開幕5試合を振り返って投打のポイントを解説してもらいました。

ドラゴンズは神宮球場での開幕3連戦で勝利はありませんでした。しかし4月2日・3日は勝ち、2勝2敗1分けと勝率5割に戻しています。

本拠地の先発は小笠原慎之介

小笠原慎之介

――岩瀬さん、神宮球場での嫌なムードは吹っ切れましたか。

岩瀬仁紀さん:
「払拭されたと思います。今はまだ、順位はあまり関係ないです」

まず、4月2日のハイライトを確認します。

本拠地開幕のマウンドを任されたのは小笠原慎之介です。初回からランナーを背負います。4番・岡本和真をライトフライに打ち取り、まずは0点で立ち上がります。

一方、ジャイアンツの先発は山崎伊織。初回、2アウトランナーなしで3番・高橋周平をショートフライに打ち取り、三者凡退の立ち上がりでした。

※山崎の「崎」はたつさき

萩尾のタイムリーヒット

ゲームが動いたのは4回。1アウト満塁のピンチを小笠原がつくります。バッターボックスには8番・ 吉川尚輝、鋭い打球をライトの上林誠知が取りましたが犠牲フライ。ジャイアンツが1点を先制します。

その後、2アウトランナー二塁・一塁でピッチャー・山崎のタイムリーヒット。そして、1番、2年目の萩尾匡也のセンターへのタイムリーヒット。小笠原が連打を許してしまうなと、この回3失点してしまいます。

ドラゴンズの反撃は6回、先頭の三好大倫が、スリーベースヒットでノーアウトランナー三塁。1アウトランナー三塁で、バッターボックスは3番・高橋。山崎が打球を弾いてタイムリー内野安打、1点を返します。

11回裏に生まれた“ドラマ”

細川成也

ゲームの山場は7回にありました。

先頭の上林誠知がしぶとく内野安打で出塁。その後、代打・大島洋平のコールに沸くバンテリンドーム。大島は1打席で決めます。

ノーアウトランナー三塁・一塁となり、バッターボックスには8番・村松開人。犠牲フライには十分なフライ、これで1点を返します。

そして、2番・田中幹也による「逆方向を意識した」バッティング。これが同点のタイムリーヒット。3対3と、ゲームは延長戦になりました。

11回裏には、ここまでノーヒットだった細川成也が今シーズン初ヒット。なんと、サヨナラホームランとなり劇的なサヨナラ勝ちとなりました。4対3で、本拠地開幕の初戦を取ったのです。

大島を代打起用

――福留さん、このゲームのカギになった部分を教えてください。

福留孝介さん:
「同点に追いついた、7回だと思います」

――大島選手を代打起用していましたね。

「大島選手の技術が非常に詰まった打席でした。7回まで打線が不調だったところ、しっかりと1打席でタイミングを合わせていました。さらにランナーを進めるために一、二塁間に狙って打ちにいく。若い選手は、彼の背中、そして技術をしっかりと学んでもらいたいです」

――2年目・田中選手の流し打ち、タイムリーも印象的でしたね。

「この打席は非常に良かったですが、ゲームを通して少し強引な打席が目立つ場面もありました。今後、彼がどのように修正していくのか楽しみたいと思っています」

2戦目は

村松開人

4月3日のゲームを振り返ります。

この日のドラゴンズは、大野雄大が左肘手術からの復活登板。2番・門脇誠を三振、3番・丸佳浩をショートフライに抑え、ゼロで立ち上がります。

ゲームが動いたのは2回です。1アウト満塁のチャンスで、バッターボックスには8番・村松。引っ張った当たりが岡本の上、ライトの前にボールが転がり2点タイムリーヒット。ドラゴンズがゲームを先制しました。

4回の表、先発・大野がピンチをつくります。3番・丸のライト前ヒット、ランナーが三塁・一塁とジャイアンツは同点のチャンスに。そこで4番の岡本のショートゴロ。

ゲッツー崩れの間に、ジャイアンツが1点を返しました。

ライデル・マルティネス

一方、4回の裏。2アウト満塁でバッターボックス1番・三好。開幕スタメンを勝ち取った三好がレフト前のタイムリーヒット。2点タイムリーを放ちます。

5回の表、大野がピンチに陥りました。2アウトランナー二塁・一塁、1番・萩尾のサードゴロを高橋が取ってピンチを切り抜けました。

そして8回、細川がセンターのバックスクリーン、フェンスを越えて2試合連続のホームランです。

ドラゴンズの守護神はライデル・マルティネス。4月2日は3本のヒットを打たれました。その中でも3日の2戦目はきっちりとゼロで抑え、今シーズンは初セーブ。理想的なゲーム運びとなりました。

村松

――岩瀬さん、4月3日のゲームで注目したポイントについて教えてください。

岩瀬さん:
「得点は先制・中押し・駄目押しと、うまく得点できました。そして高橋選手の守備。相手に流れを行かせないという、守備が目立ちました」

――ジャイアンツの守備のミスがあり、余計に目立ちましたね。

「2024年は“守り勝つ野球”を目指しているということで、しっかりとそのような野球ができたと思います」

立浪監督は試合後に「高橋の守備はタイムリーヒット1本に相当する、それくらいの価値があるいい守備だった」と絶賛しました。

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