量り売りせっけんの店で店員さんに配慮しようとするとこうなる【御手洗直子のコマダム日記 #185】

一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。

「つっこみが止まらないコマダム日記」#185
今回は量り売りのせっけんにまつわるお話です。

何が正解だったのであろうか

~前回までのあらすじ~
お店で量り売りのせっけん60個をお願いしたが、切り終わるまで清算できず、清算するまで店舗から出られないというにっちもさっちもいかない状態になってしまった。

広くはない店内で待機することになったが、幸いお店の前にベンチがあったため『ここに座っていてもいいですか?』と許可を取りそこで待つことにした。すでに数十分経過していたのだが、いつの間にかせっけんを切っている店員さんが5人に増えていた。さっき店員さんがしていた電話はコレであろうか…。元の店舗は大丈夫であろうか…。

私はデキる女(仮)なので、このせっけんを渡す時間の4時間前に家を出て1時間半くらいあれば戻って来られるかな?くらいに思っていたのだが1時間半では全然戻れそうになくてキトキトする。進行状況がまったくわからないのであと1時間待つのか2時間待つのか不明である。『あとどれくらいかかりますか?』などとは言えないし『○○時までに必要なんです』とも口が裂けても言えない。というかめちゃくちゃ一生懸命作業してくださっている店員さんにそんなプレッシャーをかけるわけにはいかない。

とりあえずは待つしかないのでベンチでじっと待つのだが、本当に目の前のベンチなので作業中の店内をじっと見ているのも見張っているようで店員さんに申し訳ないし、かといって目の前でスマホをいじるのも申し訳ない気がする。ついでに言えば私は普段座る時足を組む癖があるのだが、足を組んでスマホをいじりながら店員さん5人に作業をさせる女というのは『ハァ…ッ!早くしなさいよまったく使えないわね!』という見た目にならないであろうか…?そして店員さんにプレッシャーを与えないであろうか…?と思うと足を組むことすらままならないのであった。自意識が過剰と書いて自意識過剰と読む。

そんなわけでスマホを見たり見なかったり立ったり座ったり足を組んだり思い立って足を揃えてみたりするのだがまったくの落ち着き度ゼロ客になるのであった。どうあがいても店員さんにプレッシャーを与える仕組みになっている。逃げ場など無いのだ。

わりと時間ギリギリに『作業が終わりました』とお声掛けいただき会計を済ませる際、一応『あの…次回こういった場合があったらどうしたら良いでしょうか?予約とかした方がよかったでしょうか?』と尋ねたのだが『予約はできないのでお店に来ていただくしかない』という回答であった。そうか…。でもいつかあるかもしれない次回は『覚悟』ができてるのでたぶん今回よりは大丈夫だぜ。たぶん。ちなみに7万円くらい払った。せっけんに7万円払うことたぶんもう無いと思う。

そして時間には間に合ったが60個じゃ足りなくて追加で20個買いに戻ることになった。『また来た!』って目で見られたけど私が悪いのでしょうがない。2万ちょっとくらい払って無事お相手に渡して喜んでもらえたのであった。よかった。(おわり)

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御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):@mitarainaoko

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