“白人社会”の象徴? オーガスタナショナルGC/今さら聞けないマスターズの“マ”

4月11日(木)にジョージア州のオーガスタナショナルGCで「マスターズ」が開幕します。松山英樹が2021年に優勝した大会は、男子ゴルフの世界最高峰のトーナメント。いまさら他人に聞けない基本をコッソリおさらいします。

会員は超VIPだけ

オーガスタナショナルGCのクラブハウス(撮影/田辺安啓(JJ))

マスターズが世界最高のゴルフトーナメントとして、“神格化”されている理由のひとつに、会場のオーガスタナショナルGC(ゴルフクラブ)のミステリアスな存在があります。

4月の第2週、マスターズの期間中はチケットを持ったお客さん(パトロンと呼びます)が来場しますが、普段は厳しいメンバーシップ制(会員制度)が敷かれ、クラブが認めた人以外は門をくぐることができません。

世界中のゴルフ場は大半がメンバーシップ制ですが、オーガスタナショナルGCは特に厳格。およそ300人と言われる会員には政界、財界、スポーツ界のトップらスーパーVIPが名を連ねます。歴代の米国大統領をはじめ、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、投資の神様ウォーレン・バフェット氏…らが会員と見られていますが、詳細はベールに包まれたままなのです。

ジョージアの土地柄とクラブ

すべてのキャディがしきたり通り白いつなぎを着用する(Augusta National Golf Club)

ジョージアは歌手レイ・チャールズの出身地でもあり、オーガスタという地域もかつての奴隷解放、公民権運動と深い関わりがあるエリアです。一方でオーガスタナショナルGCは長らく、独自のメンバーシップ制を貫き、“白人社会の象徴”という見方もできました。以前はゴルフ場に勤めるキャディさんは黒人だけ。今は多くの人種の方が働いていますが、“真っ白のつなぎ”を着て、ゴルファーをサポートした名残りはいまも「マスターズ」の伝統の一部です。

“グリーンジャケット”がメンバーの目印(撮影/田辺安啓(JJ))

また、コンドリーザ・ライス元国務長官ら女性の会員を初めて受け入れたのは2012年。つい10年ほど前のことでした。ちなみにマスターズの期間中、メンバーさんを見つけるのはとても簡単。緑色のジャケット(グリーンジャケット)が目印です。

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