ラスト・ダイナソーズ、EP『KYO』をリリース リード曲MVをプレミア公開

オーストラリアのインディー・ロック・バンド、ラスト・ダイナソーズ(Last Dinosaurs)が、EP『KYO』を4月5日(金)にリリース。

今作は、前作『RYU』で描かれた“1000年後の人工知能の台頭と衰退によって文明が荒廃した未来”を舞台にした物語の続きを描いています。日本のシティ・ポップから影響を受け、新しくもどこか懐かしさを感じさせるロック・チューンが代表的なラスト・ダイナソーズですが、今作では90s’感あふれるギターロックを軸に爽やかな疾走感と、EPのストーリーともリンクした個性豊かなサウンドが加わり、ラスト・ダイナソーズの新境地を切り開いています。

先行リリースされた1曲目の「Keys To Your Civic」は“なんとなく生きてるんじゃないですか?”というドキッとする日本語のスピーチの一節を大胆にサンプリングしたイントロから物語が始まります。斬新かつ思い切った演出が意表を突く、スピード感溢れるノンストップ・ロック・チューンは、資本主義に囚われてしまった世の中を風刺します。同じく、先行シングルである「N.P.D」は人間のいやらしさや陰謀をラスト・ダイナソーズ独特の視点で描き、過去と未来が交差する、音楽という枠を超えた〈オーディオ・シネマ〉とも言える5分31秒の大作となっています。

続く「Self-Serving Human Being」、「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」は、舞台となっているディストピアの都市で住民が絶え間ない混乱に巻き込まれている様子を描きます。テキサス出身のポストパンク・バンド、GLAZEをフィーチャーしたリード曲でもある「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」の曲中では、ラスト・ダイナソーズらしいアップ・テンポな前半と打って変わって、後半にはイージーリスニングなインストビートの後ろでラジオから本EPのメイン・テーマである“自己中心主義”を議題にした「他人のことなんて気にせず自己中心的にならないとこの世界では生き残れない」、「少数の頭の良い人が操るこのディストピアの世界では、自己中心主義やエゴセントリズムの問題は大きな課題だ」という内容の会話が聞こえてきます。

最後の収録曲「14 Occasions」では、ディストピアの混乱の中に響き渡る男性の不明瞭な叫び声を歌詞として反映。ラスト・ダイナソーズの音楽は、人々が抱える不満や不安に共鳴するようにシンフォニーを奏でます。

さらに、このEPの物語を描いたコミックも公開。日本語でも読むことができ、ヴィジュアルを通してラスト・ダイナソーズが描く世界をより深く理解できます。

また、リード曲「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」のMVが4月6日(土)にプレミア公開されます。MVは、ネオンが光る日本のような街を舞台に、資本主義に取り憑かれたように狂い始める人々の様子が描かれており、楽曲が描く物語の世界観を存分に味わえます。

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