以前のように食べない地域猫 動物病院の診断は「ひどい歯肉炎と口唇裂」 手術後に落ちた食欲が元に戻りますように

「鼻の調子が悪そうだ」として保護された地域猫・ミミゲ

2022年の年末、千葉県我孫子市で猫の保護活動を行う団体、ねこ友会のもとに一本の相談が持ちかけられました。

地元で地域猫にエサを与えている人からでした。「口唇裂のある猫が鼻水を垂らしており、ご飯を食べには来るものの、以前ほどは食べなくなった」と言います。「何か病気を抱えているかもしれなので、保護してもらえないか」と心配しています。

ねこ友会はすぐにこの地域猫の保護を決めました。そして、後日この相談者の協力のもとでなんとかこの無事に保護することができました。

ウイルス性の風邪と歯肉炎だった

ミミゲは鼻水を垂らしながらもスタッフを強く威嚇してきました

地域猫の名は「ミミゲ」。保護当時も鼻水を垂らしながらスタッフを威嚇してきましたが、体調が悪い中で「自分の身を守ろう」と必死だったように映りました。

スタッフはすぐにこのミミゲを動物病院に連れていきました。獣医師の診断によれば、ミミゲの鼻の調子が悪いのは口唇裂(こうしんれつ)という病気とウイルス性の風邪の影響だと言います。

口唇裂は人間にもある病気で、唇の上の「口唇」と呼ばれるところが開いている状態のことを指します。人間の場合は生まれつき起こることが多い疾患ですが、猫の場合は、生まれつき以外にも外傷などで起こることもあります。相変わらず威嚇気味のミミゲでしたが、「これからしっかり治療していこうね」と優しく声をかけました。

症状が悪化し、手術を実施

ねこ友会のスタッフや獣医師の愛情を受け、ミミゲは心を開き威嚇することが少なくなりました。

しかし、歯肉炎と鼻水の症状は好転せず、保護から約8 カ月後には、食が進まなくなりました。

動物病院に入院し、2023年12月20日に全抜歯と口唇裂を塞ぐ手術を受けることになりました。手術は無事成功したものの、その翌日にスタッフが様子を見に行くと、依然としてミミゲには青っ鼻が出ています。

手術翌日のミミゲ

そのせいか、好物のはずの差し入れのササミにも口をつけてくれませんでした。手術を終えても、食に興味がない様子を心配に思うスタッフでしたが、ここは獣医師に任せて、引き続き様子を見守ることにしました。

退院後のミミゲはスタッフに甘えるように

手術から約1カ月後、ミミゲさんが退院することになりました。獣医師によれば「青っ鼻はまだ出ているものの、術後は良好」とのことで、スタッフは一安心しました。

退院の日、スタッフがミミゲを迎えに行くとかわいい声で「ニャオン」と甘えてきました。確かに一時期から心を開いてくれるようになったミミゲですが、ここまでの甘え声は聞いたことがなかったため、スタッフ一同びっくり。きっと入院中、心細く不安な毎日をおくっていて、スタッフのことを「早く会いたいよ」と思っていてくれたのかもしれません。

退院後のミミゲはスタッフに甘えるようになりました

退院後のミミゲは、食欲が回復したとまでは言えない状態です。スタッフは少しでも栄養価の高いものを与え続けており、経過を観察しているところです。

幸い、以前同様に元気になってくれたミミゲ。それを源として食欲も戻ってくれることを願いながらミミゲを見守るスタッフでした。

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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