為替の行き過ぎた動き「あらゆる手段排除せず対応」=岸田首相

Yukiko Toyoda Kentaro Sugiyama

[東京 5日 ロイター] - 岸田文雄首相は5日、ロイターなど外国メディアとのインタビューで、円安が進む為替市場の動向に関して、緊張感をもって注視しており「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応していきたい」と語った。日銀の金融政策は物価安定目標の実現のために行われているもので「為替誘導を目的にしたものではない」との認識も示した。

日銀は3月の金融政策決定会合で2%の物価目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況になったとし、マイナス金利政策の解除など大規模金融緩和の修正に踏み切った。同時に、当面は緩和的な金融環境を続けるとしたことで、外為市場でドル高/円安が進行した。

首相は、為替動向について自身の立場から具体的に発言するのは控えなければならないとしつつ、「為替はファンダメンタルズに基づいて安定して推移するのが重要で、過度な変動は望ましくない、これが基本だ」と改めて語った。その上で、日銀には「政府の政策についてもしっかり念頭に置かれながら機動的な政策運営が行われることを期待している」と述べた。

為替政策については、為替レートは市場において決定されることを原則としたうえで、過度な変動や無秩序な動きは経済と金融の安定に対して悪影響を与え得るという点でG7(主要7カ国)が合意している、と説明。「政府としては、こうした国際的な合意に沿って関係通貨当局と緊密に意思疎通しつつ、適切に為替政策を実施していきたい」と話した。

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