【桜花賞/追い切り診断】ステレンボッシュを超える「S」評価 GI舞台にふさわしい“抜群”の攻め気配

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■チェルヴィニア

【中間調整】デビュー2戦目、新潟芝マイルの未勝利戦を6馬身差で圧勝。そこから2カ月半ぶりだったアルテミスSは先を見据えており、やや手緩い仕上げだったようだが、1馬身3/4馬身差の快勝を収めた。直線に入って前がまともに壁になった状況ながら、そこできっちり我慢し前が開いてからスパッと弾けて抜け出したあたり、脚力とセンスの両方で世代トップクラスにあることは間違いないだろう。

その後、阪神JFに進出予定も左トモに疲れが出て回避。この時点で桜花賞への直行は内定しており、予定通り2月末に美浦に戻っている。3月6日に美浦ウッド5F67秒1(馬なり)と上々の時計を出し、牧場での調整が順調だったことをアピール。その後栗東へ移動しての調整も予定通り消化している。1週前追いとなるCW併せ馬ではウンブライル(阪神牝馬S出走)を速いラップで追走し、最後は気持ちの強さを見せてアタマ差抜け出し先着とした。

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【最終追い切り】レース当週は前後に馬を置く隊列で入る“木村厩舎流”の3頭併せをCWで行っている。直線では左右からタイトに挟まれる形。それでもまったくの馬なりを保ってジワッと加速していき、先に仕掛けられた左右2頭が加速したのにもスッと対応し鋭くギアを上げた。結局楽々と1頭に先着、1頭と併入。道中の折り合いも申し分なかった。

【見解】一頓挫明けではあるがじっくり時間をかけて立て直したことで、状態面に関してはなんら不安なし。1週前にある程度負荷をかけて心肺機能を高め、最終追いでは終い重点の3頭併せで実戦感覚に磨きをかける理想的な調整ができている。反応は鋭く、脚捌きは軽快そのものだ。5カ月半ぶりというブランク、本来騎乗予定のC.ルメール騎手はドバイでの落馬負傷で乗れず、B.ムルザバエフ騎手にスイッチ。初の右回り&関西戦とハードルはいくつも並ぶが、あっさりクリアしても不思議はない。GI舞台にふさわしい馬群の攻め気配にある。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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