【桜花賞/追い切り診断】アスコリピチェーノを上回る「A」評価 「大先輩を子供扱い、勝ち負けできる状態」

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■ステレンボッシュ

【中間調整】昨年7月、札幌芝1500m戦でデビュー。序盤に大きな不利がありながら、直線で長くいい脚を使っての完勝を収め、器の大きさをアピールした。1勝クラスへの昇級2戦目、出世レースとされる赤松賞でも接触するアクシデントがありながら勝利を収めている。そこから中2週で阪神JFへ進出。ここではこれまでと異なり中団後方に控える競馬となったが、直線では内へ切り込んでアスコリピチェーノにクビ差迫る2着と好走を果たした。

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GI2着で賞金に余裕ができたことから、桜花賞へは直行することに。3月半ばにいったん美浦に入ってケアを施されたのち、調整の地である栗東へ移動。17日にCW70-40を消化したのが初時計だった。27日の1週前追いはCWで大阪杯出走を控えたハヤヤッコを追走。ハヤヤッコはそこまで稽古駆けしないタイプとはいえ、この大先輩を手応えで圧倒し、子供扱いするかのように4馬身突き放しての先着を果たしている。

【最終追い切り】レース当週も栗東CWで併せ馬。先行させた準オープン馬に巧みなコーナーワークで取り付いていき併走する。抜き去ることなく併入としたが、これは相手に合わせた感があり、オーバーワークを避けたものだろう。追えば追うほどに突き放せそうな雰囲気にあった。

【見解】阪神JF時に続き2度目の栗東滞在。慣れがあるようで、その時に比べてより素軽く動けている。そもそも、中2週と慌ただしかった前走時と中16週とじっくり間隔を取った今回では、調整が楽だったのは想像に難くない。勝ち負けできる状態だろう。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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