【桜花賞/追い切り診断】前走以上の大仕事があっても……フロック視“禁物”の想定15人気前後を「高評価」

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■ハワイアンティアレ

【中間調整】3カ月の休養で立て直され臨んだ2月京都の未勝利戦では、好位から最速の末脚を繰り出し勝利。そこから中4週のチューリップ賞は初の阪神、一気の相手強化がどうかと思われブービー15番人気の支持ながら、直線では馬込みを捌いて渋太く伸び0秒3差3着に激走を果たした。出遅れなど、まだ若さを残した状態での走りで鞍上・西村淳騎手が「まだ上積みはある」とレース後にコメントしている。

その後目立った反動はなかったようで、切符を獲得した桜花賞への進出が決定。在厩で調整されている。3月20日に坂路14-14をこなしたのが初時計。ラスト2Fは13秒4-12秒8といい加速ラップを踏めていた。27日の1週前追いには今回初コンビを組む池添騎手が騎乗し、坂路で調整。調教欄上は「単走」表記となっているが、実際は目標とした相手を一気に追い抜き独走したもの。抜き去る際の気迫、加速の鋭さに相手が白旗を挙げて抵抗をあきらめたような内容だった。4F52秒8(馬なり)は自己ベストを更新する数字。

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【最終追い切り】レース当週も池添騎手が騎乗。CWで3歳未勝利を2秒近く先に行かせ、これを追う併せ馬を行った。道中楽な手応えで差を詰めると、コーナーワークであっさり抜き去ってしまう。直線ではほぼ単走の形ながらフワッとすることなく、豪快に脚を伸ばし3馬身の先着とした。

【見解】前走は出遅れていなければ優に勝ち負けになっていたはずで、スウィープフィートら先着された2頭と遜色ない力の持ち主と考えていいだろう。前走時で420キロと華奢な馬。それでも1週前不良馬場の坂路で自己ベスト更新、最終追いはCWで併せ馬をこなせるあたり、よほど健康状態に不安なしといったところか。前走のように馬群を捌ける根性はあるし、この中間の稽古では抜き去る際に凄い気迫を披露。そして抜け出してもフワっとしない集中力も好感で、メンタル面での強靭さは抜群。心身充実。前走以上の大仕事があっても。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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