「やりにくい相手だと思ってくれるのか」パリ五輪スペインとの初戦の捉え方は?【なでしこジャパン池田監督の独占告白】

パリ五輪でスペイン、ブラジル、アフリカ勢の1か国とまずグループリーグで戦うなでしこジャパン。池田太監督は独占インタビューの席で、このグループCの印象について次のように話してくれた。

「スペインはワールドカップの優勝国、ブラジルも力のあるチーム。アフリカはおそらく南アフリカかナイジェリアで、各大陸の強豪と戦うのがオリンピックであり、ある意味楽しみな部分もあります」

現地時間の7月25日にスペイン、同28日にブラジル、同31日にアフリカ勢と対戦する。何より注目はスペインとの初戦だろう。指揮官は語る。

「ポジティブに考えれば、初戦に合わせてしっかりと準備できる。初戦が大事というグループリーグにおいて、そこで勝点を獲ることも視野に入れないといけない。また得失点差の部分も重要なので、それを踏まえて自分たちの戦いを90分間やりたい。スペインについて選手たちはイメージをしやすいと思います。その意味での準備はできると考えています」

スペインにしてみれば昨夏の女子ワールドカップで唯一黒星を喫した相手が、なでしこジャパン。リベンジに燃えているはずのW杯チャンピオンが相当なテンションで五輪のグループリーグ初戦に臨む可能性はあるだろう。

「向こう側に立てばそういう気持ちで試合をするはずです。ただ、日本と同じ組になったことをスペイン側がどう考えているか。モチベーションを高めてくるのか、やりにくい相手だと思ってくれるのか、いろんな感情があるので、そこはお互い様でしょう」

本大会は各グループ(A、B、C)の上位2か国と、3位の成績上位2か国が決勝トーナメントに進出できる。この大会方式を、池田監督はどう捉えているのか。

「グループリーグの最終戦までノックアウトステージに上がってくる国は分かりません。どのグループもおそらく3試合が終わらないと決まらない部分が出てくると思うので、1試合の結果に一喜一憂することなく状況を把握したいです」

単純な勝敗だけでなく、得失点差の部分で確かに駆け引きが必要になるシチュエーションもあるだろう。その意味で“先を見据えた戦略”もきっと不可欠となる。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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