世耕弘成氏、自民党の公式サイトからあっという間に削除「素早いな、自民党!」永田町で皮肉まじりの感嘆符

取材を終えて一礼する世耕氏(写真・時事通信)

4月4日、政治資金パーティーの裏金をめぐる問題で、自民党は党本部で党紀委員会を開き、安倍派と二階派の議員ら39人の処分を決めた。

「もっとも処分が重かったのは、安倍派(清和会)でキックバックの扱いを協議した2022年8月の会合に参加した幹部4人のうち、派閥座長だった塩谷立元文部科学大臣と自民党参議院のトップだった世耕弘成前参議院幹事長の『離党勧告』です。

ほかの下村博文元政務調査会長と西村康稔前経済産業大臣は1年間の『党員資格停止』となりました」(政治担当記者)

塩谷氏は処分を不服として「弁明書」を提出したが、世耕氏は自ら「離党届」を提出して受理され、自民党を離れた。

「提出とほぼ同じくして、自民党の公式サイトにある国会議員ページから世耕氏の名前が消えました。あっけないほど、あっさりでした。

これだけ国民の政治不信を招いたのですから、離党勧告も離党も仕方のないことですが、永田町では『自民党もこういうことだけは素早いな』と皮肉混じりの声が聞こえてきます」(政治担当記者)

離党翌日、世耕氏はかつて安倍派に所属していた参院議員と国会内で会合を開き、謝罪と経緯の説明をした。

「祖父は元経済企画庁長官の弘一氏、伯父は元自治大臣の政隆氏という家柄です。安倍晋三元首相をいつも近くで支え、いつしか自身も総理大臣を目指すようになったと言われています。

参院議員でも総理大臣になれますが、永田町では『解散のない参院議員が、解散権を行使できる首相になっていいのか』という考えが根強くあるので、世耕氏は衆院への鞍替えを模索していました。しかし、今回の処分でそれも霧消しました」(同)

そうしたなか注目されていたのが、世耕氏が総長・理事長を務める近畿大学の入学式への出席だ。処分直後だけに、「祝辞を述べるのは辞退するのでは」とみられていた。

しかも、大学教職員の有志らが、裏金問題を受けて理事長辞任を求めるオンライン署名活動をおこなってる最中。署名は4日午後3時現在で2万7000筆を超えたという。

入学式前日になる5日、近畿大学の広報担当に聞くと、「(世耕氏は)出席されて祝辞を述べられます」との回答だった。はたして世耕氏は何を語るのだろうか。

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