【運命編】もう変えられないの?四柱推命や姓名判断が良くなかったときの心構えと対処法について教えていただきました。

前回【運勢】の話
占いの結果が良くなかったとき、どんな風にすればいい?なにか良い方法はあるのかな?そんな疑問について、一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表 佐藤城人さんに運勢と運命、それぞれに分けてお答えいただきました。今回は運命編です。

前回は、おみくじを例に悪い「運勢」が出た場合について考えました。今回は「運命」についてです。四柱推命や姓名判断などの結果が良くないとき、どのように対処したら良いのでしょう?

前回の運勢の際のポイントは、
(1)どうすれば上手くいくのか、使い方を考えること (2)気分転換を図ること
この2点でした。

運命の場合も、同じ対処法で上手くいく。私は、このように考えています。
生まれ持った運命、例えば先天的な気質や障害など、を変えることは難しいと考えられています。しかし、その使い方を変えることは十分に可能です。仕方がないと嘆くのも OK、ただ、その逆境をバネにする人もいます。要は「使い方次第」ではないでしょうか。

「弘法筆を選ばず」ということわざがあります。一般的には、「(一流の人間になれば)使う道具を選ばないものだ」と解釈されます。この解釈で納得できる人はOKです。ただ、中には「一流じゃないから、自分には無理だ」と言う人も出てくることでしょう。実際のところ、弘法大師は、筆を選んでいたという説もあります。自分で書きやすい筆をつくっていたのだそうです。自分が使うものに対して、こだわりがあったんですね。

私は心理カウンセラーをしています、日々お越しになるクライエントさんの多くは、「自分の人生が上手くいかない」と悩みます。そして、何かしらのこだわりを持つ人も多いです。では、このこだわりが、人生をダメにしているのでしょうか?
例えば、今回のテーマ「結果を気にしすぎる」こと。これも、こだわりの一つです。気にしすぎた結果、上手くいくことはありませんか?
そのおかげで、安全策を見つけることができます。そのおかげで、命を守ることができます。

ちなみに、まったく気にしない人を想像してください。これでは、命が幾つあっても足りなくなります。また、運命が最高に良い人を想像してください。誰もが羨むような運命です。しかし、これでは努力の大切さや達成感を味わうことはできません。他の人の苦労もわかることができないのではないでしょうか。
あなたのこだわり、どのように活用すれば、人生が好転しますか?努力することの喜びを、友だちと分かち合いたいと思いませんか?運命も同じです。生まれつきの気質を、どのように活かしますか?

2点目の気分転換も同じです。
「運が悪かっただけなんだ」「勝負は時の運、仕方がなかった」などの発言に対して、無責任と批判することは可能です。自分の人生の主人公は自分だからです。ただ、そうであったとしても、「人事を尽くして天命を待つ」こと。これはOKではないでしょうか? 自分でやれることはすべて取り組んだ、それでもダメだったとき。「運がなかった」と口にすることは、自己責任の放棄ではなく、気分転換を図ることに通じます。

やってはいけないことは、「どうせ、運が悪いから」などのように、後ろ向きに物事を捉え、チャレンジしないことです。
「チャンスの神様には前髪しかない」といいます。

前髪しかない神様。やって来るのは、未来からでしょうか? それとも過去からですか?
答えは未来からです。

前回、反省と後悔の違いをお伝えしました。
反省とは過去を精査し、未来への改善点を見出すことです。結果的に前を向くことになります。これに対し後悔とは、いつまでも過去に縛られることです。
反省と後悔、どちらが、神様の前髪を掴むことができるのでしょう?これは反省のスタンスでいる人です。
すくなくとも、気分転換を図り、前を向いた方がチャンスは掴めそうです。

なお、占いの結果が悪い場合、「そんなの気にしないことだ」というアドバイスを見かけます。これは、意味のないことです。「気になる」から、どうしたらいいのか、と相談に来るのでしょう。その人に対して、「気にしないことだ」と言うのは、答えになっていません。百歩譲って、どうしたら「気にならなくなるのか?」この方法まで提示する必要はあるでしょう。

ではここで、運命の命について考えてみます。
「命(いのち)」とは何でしょう?
その人が生きていくうえで最も大事なもの、このように定義できます。
さきほど、気分転換のところで「自分の人生の主人公は自分」とお伝えしました。自分にとっての大事なものである以上、誰かに委ねることはできません。

ここまで理解できると、この運命について、誰かに判断してもらうことは、果たしてO Kなのかどうか? 本当は自分で決めるもの、このようにも思うんですね。
もちろん、自分の運命が分からない、だからプロの占い師に鑑定を依頼すること。これは、理解できますし間違った行為でもありません。

ただ、「生きる力」と「生きていく力」これは異なります。
天からどのようなものを授かって、この世に生を受けたのか? これは、自分ではわかりにくいものです。
・本当は何をしたいのかが分からない
・自分には、何が向いているのかを知りたい
このように悩む人も多いです。これらは、まさに生きていく上で最も大事なものであり、運命と言い換えることが可能です。ただ、これらはあくまでも「生きる力」のことです。自分の運勢や運命を知りたいと願うことは、極めて自然なことです。しかし、その生きる力を、どのように生かすのか、「生きていく力」に変えること、これは本人の課題です。

ドイツ生まれの作家、ヘルマン・ヘッセは、次の言葉を残しています。
「目的の無い生活は味気なく、目的のある生活は煩わしい」
これを、言い換えてみました。
「気にしない生活は味気なく、気にしすぎる生活は煩わしい」
気にすること、これはダメではありません。大切なのはバランス。このように思うのです。

執筆者

佐藤城人(さとうしろと)
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範

経歴
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出合う。
各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
近年はヤングケアラーはインナーチャイルドの予備軍と位置づけ、お子さまや親御さまの支援にも力を入れている。
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。

一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/

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