離党勧告処分を受けた塩谷立氏が再審査請求を検討「事実の誤認ではないかと思っております」

会見を開いた自民党の塩谷立元文科相

自民党の塩谷立元文科相は5日、派閥政治資金パーティー裏金事件をめぐる問題で党紀委員会から「離党勧告」処分を科せられたことを不服として、再審査請求の検討を行うと表明した。

党紀委員会は「清和政策研究会」(安倍派)で座長を務めた塩谷氏と世耕弘成前参院国対委員長に対し、党則処分8段階のうち2番目に重い離党勧告を4日付で行った。

処分に先立ち同委員会に弁明書を提出していた塩谷氏この日、国会内で開いた会見で「大きな政治の信頼を損なったようなことについては国民のみなさん、そして党関係者や支援者のみなさんに深くお詫びを申し上げたいと思います」と謝罪すると、今回の処分についてこう言及した。

「しっかりと受け止めて政治的、道義的責任も大変に重いと感じているわけですが、要はその理由として間違った認識のもとに実施されたことは、誠に残念でことであります。派閥の運営に携わる者にありますが、(同派の)常任幹事会座長というのは、去年の8月から就任したもので(キックバックの継続を協議するなどした)当時はそうした立場になかった。不適正な会計処理についてはまったくほかの事務総長と役職の幹部もほとんどタッチしていない立場でありまして、そういうことが(離党勧告の)理由に出ていることについては事実の誤認ではないかと思っております。改めて事実確認をお願いしたい」

党に再審査を行うことについては「しっかり地元と人たちと相談して判断していきたい」と述べた。

岸田首相の対する処分が見送られたことについては「処分対象としてどうして外れたのかという思いはある」とした。

塩谷氏は岸田文雄首相と定期的に会合を持てる関係であった。岸田首相が2021年の同党総裁選に立候補した際は支持を表明していた。岸田政権発足後は一心に支えてきた立場だった。

今回の処分を受けて岸田首相に対する思いについては「残念な思いというか…。一言(岸田首相から処分について)あるかなと思ったが。世論がこれだけ厳しい状況のなかでお互い責任を取るということが、自民党の窮状でやむを得ず、処分するという言葉があれば『はい、わかりました』と言ったかもしれない。細かいやり取りはなかった」とかぼそい声で胸中を語った。

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