「関係ないこと聞くな」「それなら国会で説明しろ」 怒号飛び交う衆院内閣委、首相答弁は紋切り型

国会議事堂(資料写真)

 経済安全保障分野に機密保全の対象を拡大する「重要経済安保情報保護・活用法案」の採決を行った5日の衆院内閣委員会で立憲民主党の山岸一生氏が自民党派閥裏金事件を取り上げ、法案質疑のために出席した岸田文雄首相を追及した。与党席からは「関係ないことを聞くな」と怒号が飛び、野党席は「それなら国会で別途説明しろ」などと反論。委員長の星野剛士氏(比例南関東)が「静粛に!」と声を枯らし、山岸氏に「法案の審議を」と注意する荒れた展開となったが、首相は紋切り型の答弁を繰り返した。

 自民党総裁でもある岸田首相は前日4日に裏金事件の関連議員へ党としての処分を実施。同委員会が国会として首相に意見を聞く訪米前の最後の機会となった。山岸氏は法案が政治家をセキュリティー・クリアランス(適性評価)の対象外としていることを引き、「これだけ国会議員の信頼が失墜している中でおかしな線引きだ」と指摘。裏金事件と結びつけ「岸田総理自身が処分対象にならなかったことも国民の不信に拍車をかけている」などとただした。

 首相は自身派閥の政治資金パーティー収入不記載事件で会計責任者が立件されたことを巡り「私自身は個人的な政治資金の修正はなかった。派閥の不記載の内容が他の政策集団とは異なる」と反論。政治責任の果たし方に関しては「最終的には国民や党員に評価、判断いただく。それが党総裁の立場だ」と答えた。

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