水道水から基準値超える六価クロム化合物 市の担当者は濃度を下げて報告

由利本荘市東由利にある集落に供給されている水道水から、人の体に害がある六価クロム化合物が基準値を超えて検出されていたことがわかりました。市の担当者はサンプルに別の水を加えて濃度を下げて、基準値を下回っていると報告し続けていました。

六価クロム化合物が基準値を超えて検出されたのは由利本荘市東由利の大台集落6世帯17人に水道水を供給する施設です。市によりますと2020年度に行ったこの施設の水質調査で、発疹や炎症を引き起こすほか、発がん性も指摘されている六価クロム化合物が基準値を超えて検出されました。

しかし市の担当者は施設から採取したサンプルに別の水を加えて濃度を下げ、基準値を下回るようにしたうえで改めて検査を行い、その結果を報告していました。調査は毎年行われていますが、担当者が4年にわたり同じことを繰り返していたため、基準値を下回っている水として利用が続けられてきました。

市は六価クロム化合物を処理する装置を使うなどして基準値を下回るまで給水車で大台集落に水を届ける方針です。市によりますとこれまで住民に健康被害は確認されていません。市はこのような事態に至った原因を調べるとともに、調査を担当した職員の処分の検討を進めることにしています。

© 株式会社秋田放送