青木理氏 自民党裏金処分に「『道徳教育だ』とか言ってた連中が誰一人道徳的責任をとらない」

青木理氏

ジャーナリストの青木理氏が5日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で自民党の関係議員ら39人が処分された件についてコメントした。

共演の室井佑月は前日4日は処分のニュースを「はしごして」見ていたといい「やっぱり納得いってないって人が多いんだね。だって(処分の)ルールというか、定義っていうかそれがまるでわかんないもんね。金額が違ければいいって誰が決めたんだとかね」と指摘。

青木氏は「一応建前上は5年間で裏金化してた金額が総計で500万円を超えてるかいなか、とそれから、党の役職をやっていたかというところなんですけれども、結構いろいろな思惑が渦巻いていて」と私見を述べた。

さらに「塩谷(立)さんは非常に怒っている。でも、世耕(弘成)さんは『明鏡止水だ』とか言っているけど、それもちょっと一皮剥いてみると塩谷さんって選挙弱いんですよ。前回の選挙で小選挙区では落っこって比例で復活している。そう考えると塩谷さんはただの人になっちゃう可能性が高いわけですよ。そりゃ怒りますよね」と分析した。

一方で世耕氏は選挙が強いとし「世耕さんご自身は首相になりたいという野望があって、参議院から衆議院に鞍替えをしたいと思ってると。ところが二階(俊博)さんがいてなかなか鞍替えできなかった。二階さんと世耕さんはあまり仲が良くないと。ところが今回二階さんが引退をする。おそらく息子さんに譲るのではないかと言われているんだけど、そこのところに今度世耕さんが出てくるとなると、また二階・世耕がバトルになるんだけど、今回離党勧告で離党しましたよね。なので、今度無所属になるわけです。そうするとむしろ衆議院に鞍替えしやすくなるんじゃないかと」と見立てた。

共演者は「何かすっきりしない」と口をそろえたが、青木氏は「僕らここで何を考えなきゃいけないかっていうと、要するに20数年我が世の春を謳歌してきた最大派閥の幹部と称する人たちが、特に清和会っていうのは『愛国』だとか『美しい国』だとか『国民には道徳が足りない』とか『道徳教育だ』みたいなことを言ってた連中が、いざ自分の違法行為が発覚したら誰一人道徳的責任も政治的責任も取らないってことが明らかになったわけです」とチクリと刺していた。

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