鈴木誠也、打撃絶好調の秘密はパワーとキレを備えた「体重増」…担当記者も「まるでラグビー選手」と感嘆

鈴木誠也(写真:AP/アフロ)

大谷翔平ほど話題に上らないが、2024年シーズン序盤の鈴木誠也の活躍が目覚しい。4月5日終了時点で打率.333、本塁打2、打点8はナ・リーグ打撃成績8位につけている。

もっとも、今季の活躍はある程度予想されたもの。2023年シーズンは脇腹痛でWBC辞退に追い込まれ、開幕戦にも間に合わなかった。その後もケガが重なり、24試合を欠場。

それでもシーズン終了後の成績は138試合出場、打率.285、20本塁打、74打点と、前年のメジャー1年めの成績の .262、14本塁打、46打点を大きく上回った。チームの主軸としては、立派な成績。その実績からか、多くの評論家は「2024年シーズンはさらに成績がアップする」と予想していた。

好調の要因は何か。広島時代から取材し、米国でも帯同するスポーツ紙記者が語る。

「思い切った体重増に踏み切ったことですね。しかも、増えた体重が体に馴染んだこともあげられます。

広島入団時の鈴木は、身長180センチ、体重80キロほどで、日本にいれば『体格のいい外野手』と見られていました。でも、メジャーでは身長180センチは小柄なほうで、メジャー移籍後は体重も96キロまで増えたんですが、やはりカブスナインに囲まれると目立つ存在ではありませんでした。

本人もメジャーで162試合を戦い抜くにはスタミナとパワーが必要だと感じたのでしょう。

それで、メジャー2年めの2023年は、体重を106キロまで増やしました。入団時からみれば26キロ増ですから、見た目も大きく変わり、上腕はパンパンで大胸筋も盛り上がっている。我々から見れば、野球選手というよりラグビー選手を連想させる体つきです。

広島のルーキー時代から知っている私としては、まるで別人です。今季の体重は正式に発表されていませんが、さらに増量しているかもしれません。見た目でもはっきりと大きくなっていますから。

もっとも、カブスナインは『やっとメジャーリーガーらしい体つきになってきたな』と茶化しています(笑)」

パワーをつけるために体重を増やしても、それが瞬発力を邪魔しては意味がない。パワーとキレを同時に身につけたからこそ、今季の活躍がある。

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