大和高女子サッカー部 吉村選手が得点王 全国選抜大会で10ゴール 大和市

トロフィーを持つ吉村選手(右)と3月まで顧問を務めた大澤教諭=3月31日・大和高校グラウンド

第30回選抜高校女子サッカー大会「めぬまカップ」(主催/熊谷市ほか)が3月25日〜29日、埼玉県熊谷市で行われ、大和高校女子サッカー部(部員数20人)の吉村帆七選手(17)が、全7試合にフル出場し10ゴールを決め、得点王に選ばれた。今年3月でチームを離れた前顧問の大澤江梨子教諭に贈る恩返しの受賞となった。

夏の全国大会の前哨戦とされるめぬまカップは、全国から選抜された43チームで争われ、神奈川からは大和・湘南学院・藤沢清流・横浜翠陵が出場した。

大和は予選リーグ戦のG組で強豪4チームと対戦した。福井、安城学園に連敗し、続く市立太田にも1対3で敗れたが、吉村選手が同点弾で意地を見せる場面もあった。

大和は予選リーグの各組5位チームによる順位別トーナメントに進み、熊谷女子との初戦で吉村選手が6点を挙げるなど12対0で大勝。準決勝の帯広大谷でも吉村選手がハットトリックを決め、3対1で勝利した。

松山女子との決勝では大和の堅守が光り1対0で試合終了。これにより、大和は43チーム中、33位で大会を終えた。得点王には10得点で吉村選手が選ばれた。2位の選手は5得点だった。

高校からFWに転身

兄の影響で小学2年からサッカーを始めた吉村選手。中学時代は「日体大SMG横浜U―15ビーネ青葉」でプレーし、主にボランチで活躍した。

大和高校に進むと大澤教諭から高い得点力とスピードを買われ、FWに転身した。すると才能はますます開花。昨年の「関東リーガスチューデント2023」の2部リーグで大学生らを抑え得点王に輝いた。

大澤教諭の異動が部員に伝えられたのは大会前の3月中旬。吉村選手はその時のことを振り返り「サッカーが上手くいかず、やめようと思った時も大澤先生はそばで温かく見守ってくれた。最後の公式戦では『結果で恩返しを』と皆で誓った」と明かす。

大和高校の女子サッカー部を10年間にわたり指導した大澤教諭は「皆が成長した姿を見せてくれてうれしかった。(吉村選手には)新チームでも『エース』としてチームをけん引してほしい」と目を細めた。

大和は、4月中旬から始まるインターハイ予選に向けて再始動した。新チームでも「10番」を背負う吉村選手は「これからも真摯にサッカーと向き合います」と恩師に約束した。

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