隠れ家和菜たまり 朝ごはんで地域つなぐ 子どもに無料提供も 川崎市多摩区・川崎市麻生区

朝食を提供する粂田さん

麻生区百合丘にある飲食店「隠れ家和菜たまり」は3月6日から、地域住民に朝食を提供する「朝ごはん食堂プロジェクト」を行っている。同店の粂田真理さん=人物風土記で紹介=は「朝ごはんを機に、多世代が関わり合えるようになれば」と意気込む。

2016年4月から、子ども食堂「たまり食堂」を運営している粂田さん。1人でも持続可能で、参加者も一緒に作業ができるように、という考えから、餃子を作り、参加者全員でテーブルを囲みご飯を食べる形で、月に1回程度開催してきた。

その経験をもとに、長年構想を練っていたのが、今回始動したプロジェクトだ。一食あたり、子ども(中学生以下)は無料、大人は300円で朝食を提供。5分で食べられる気軽さ、朝から負担なく消化できるものにこだわり、ご飯と野菜がたっぷり入った味噌汁を用意する。ボランティアや地域住民から寄せられた魚やゆで卵などがメニューに並ぶことも。

粂田さんは「共働きの家庭から食欲不振の高齢者まで、子どもも大人もいろいろな事情があって、朝ごはんを食べられない人がいる。輪になってご飯を食べることは人間に必要なことだと思う」と思いを語る。

開設時間は、毎週水曜日の午前6時30分から8時。より多くの人が利用できるよう、時間の延長も検討中だという。粂田さんは「ほかのお店でもぜひ始めてほしい。この運動が起点になれば」と期待を寄せた。

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