G30、G410、G425…ピンのUTはなぜ人気? 中古の狙い目はコレだ

ハイブリッドはピンという人は多いのでは

契約プロはもちろん、一般アマチュアにもピンのユーティリティ(UT)が根強く人気だ。同社製UTには名器と呼ばれるものが多い。中でもギアマニアがおススメするナンバーワンモデルはどれだろう。コストパフォーマンスにも優れた製品の魅力に迫る。

はじまりは15年前の「G15」

ピンの最初のUTは2009年発売の「G15ハイブリッド」。当時のモデルはまさに「アイアン+ウッド」を2で割った印象で、現在の一般的なモデルよりもアイアン色が濃い形状だった。2011年の「G20」もその流れを汲んだもの。最初のいわゆるウッド型ユーティリティといえるのは2012年の「ANSER(アンサー)」で、隠れた名器として知られ、フィル・ミケルソンやマット・クーチャー、ブラント・スネデカーら契約外のプロも使用していた。

その後は純正シャフトとロフト角のバリエーションが増え、2019年発売の「G410」が大ヒットした。2020年の「G425」、2023年「G430」で人気は不動のものに。また、G400シリーズから登場したアイアン型UTの「クロスオーバー」もファンの心をつかんでいる。

組み合わせ次第で“いかようにも”合わせられる

ロフト設定やシャフトのバリエーションも多い

ピンは自社でスタジオを持つほか、大手量販店でもフィッティングを可能にしている。シャフトの取りそろえが豊富なのも人気のヒミツで、最新モデル「G430」の標準シャフトはなんと10種類、硬さの違いを含めると16種類もある。ロフト角も17、19、22、26、30、34度の6種類だ。

原点である「G15」から、ロフト角は5種類(17、20、23、27、30度)、標準シャフトは4種類、硬さの違いを含めると13種類から選べるという先進性があった。また、アイアンがセット売りでなく、1本から購入できるため、UTとアイアンを好みに合わせてミックスできる。

コスパ重視なら「G30」

一代前のG425も最新モデルとそん色はない

ピンのUTはその人気ゆえ、中古市場では他社モデルよりも割高感がある上に、在庫が少なめ。最新モデル「G430」が性能的に一番のオススメだが、現在の価格は3万円前後。正直なところ、筆者としては「G425」と「G410」なら、「G430」と比較してもそん色がないように思える。「G425」、「G410」は同じ系統の標準シャフトも多く、混在させても違和感が生まれにくい。価格も2万円台前後だ。また、G410以降は可変スリーブが付いているためロフト角の微調整も可能。飛距離の階段をしっかりと作りやすい。

コスパを追求するなら「G30」はどうだろう。1万円台前半で見つけられる。構えやすく、打感も心地良い。だまされたと思って、一度26度や30度といった番手を打ってみて欲しい。「G25」や「アンサー」も、まだまだ現役で使える性能を持つが、UTは地面から打つことが多いので程度の良いものがレア。

UTは飛べば良いというクラブではない。しっかりとターゲットを狙えるのが良いクラブ。構えやすさ、距離感に影響する打感も重視したい。モデルによって、構えたときの印象が意外と変わってしまうことがあるので、組み合わせる場合はまずアドレスビューをチェックしてほしい。

UTはセットでそろえる時代に

ハイブリッドをセットとして考える際、シャフトの種類、重さ、硬さは揃えたい

30年前は3番からSWまでの10本セットが標準だったアイアンセットも、今では5番からPWの6本セット(または6番からの5本セット)が多くなった。長いクラブはUTでセットを組む時代に。ヘッドは可能な限り同じモデルでそろえ、シャフトはセット内で種類、重さ、硬さを統一したい。

前述の通り、ピンのUTは15年も前からロフト角のバリエーションが豊富な上に、ロフト角が大きい番手が探しやすい。ただし、シャフトの種類が多くあるため、UTセットを構成しようと思うと、同じシャフトのモデルが探しにくいという中古ならではのデメリットもある。根気よく同じシャフトのロフト角違いを探すか、G410以降のモデルなら、スリーブ付きシャフトの中古を探して統一感を出すという手もある。

筆者は「UTには“このシャフト”」と決めたモデルがあり、ヘッドだけ新しいモデルにして統一感をキープしている。フェアウェイウッドの代わりとしてはもちろん、5番アイアン、6番アイアンがキツくなった…と感じたら手を出してみることをおススメする。(文・田島基晴)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン