絶景「リアル名画」体験スポット! ヒッチ・コック『鳥』&「ハリー・ポッター」の舞台「春ドライブ」レポ

映画『鳥』を思わせるような神社(撮影:分銅英雅)

雪深い冬を越した青森県には多くの見どころがあるが、三陸復興国立公園 青森県エリアもその一つだ。自然の美しさと歴史を感じる、まるでヒッチコックの映画『鳥』を彷彿させる神社、ヨーロッパの古城のような展望台、天然芝生が広がる海岸など、春の訪れとともに訪れたいスポットが点在する。総延長1000kmの「みちのく潮風トレイル」の一部を歩いて、春の潮風を思い切り感じるのも最高だ。

今回は、三陸復興国立公園北部の青森県エリア・ドライブスポットを紹介する。

■三陸復興国立公園 青森県エリアとは?

三陸復興国立公園は、宮城県の牡鹿半島(おしかはんとう)から青森県南部に至る三陸海岸に広がる国立公園だ。東日本大震災で被災した三陸地域の復興に貢献するために命名された。三陸復興国立公園 青森県エリアは2013年に国立公園として新しく編入され、青森県南部の太平洋側に位置する美しい海岸線のエリアである。

■珍しいドライブスポットの数々

このエリアには美しい海岸風景が広がるとともに、今回紹介するような珍しいドライブスポットが散在している。

●蕪嶋神社(かぶしまじんじゃ)

まるでヒッチコックの映画『鳥』の舞台のような、鳥だらけの神社。商売繁盛、漁業安全のご利益がある蕪嶋神社だが、全国的にはウミネコの繁殖地として知られ、国の天然記念物に指定されている。ウミネコの繁殖時期(3月~8月)にここを訪れると、無数のウミネコを観察できる。

神社の本殿は高台にあるが、お参りに行こうとすると鳥に囲まれ恐怖を覚えるくらいだ。鳥を刺激しないように階段を上がっていくが、今度は鳥の糞が心配になってくる。無数の鳥に囲まれてそっと歩く様は、まさに映画のVR(Virtual Reality)のようだ。

蕪島神社で無数のウミネコに囲まれる

また、神社自体も夕暮れ時に遠くから見ると神秘的な雰囲気が漂う。

神秘的雰囲気が漂う蕪島神社

【基本情報】
住所:青森県八戸市鮫町鮫56-2
駐車場:蕪島無料駐車場(無料)

●葦毛崎展望台(あしげざきてんぼうだい)

ここは映画『ハリー・ポッターシリーズ』や『美女と野獣』に出てくるような、ヨーロッパの古城を彷彿とさせる展望台だ。昔は軍事施設として海岸線の防衛に利用されていたが、現在は展望台として開放され、太平洋の海原と美しい海岸線を展望できる場所となっている。

展望台に行くには階段を上っていくが、城に続くようで雰囲気がある。駐車場横にはカフェもあり、ドライブの合間の一服には最適だ。約200m南には葦毛崎第二展望台もあるので、時間があれば立ち寄ってみよう。

階段も雰囲気がある葦毛崎展望台

【基本情報】
住所:青森県八戸市鮫町小舟渡平10-104
駐車場:葦毛崎展望台駐車場(無料)

●種差(たねさし)海岸

波打ち際近くまで天然芝生が広がる、珍しい海岸。天然芝と海岸線の荒々しい岩礁、砕け散る波のしぶき、そして青い海の構図は最高だ!

【基本情報】
住所:青森県八戸市鮫町中道
駐車場:種差海岸インフォメーションセンター駐車場北(無料)

●みちのく潮風トレイル(種差海岸遊歩道)

みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの沿岸を結ぶ、全長1000kmを超えるロングトレイル。種差海岸遊歩道はその最も北にあり、絶景の宝庫といわれる種差海岸を歩くコースだ。

海岸に自生する天然芝はもちろん、周辺では約650種の植物が自生し、春から秋に訪れるとさまざまな花々が観賞できる。さらに、松林や奇岩など変化に富んだ自然の造形美を楽しめる。

種差海岸インフォメーションセンターから蕪嶋神社まで、海岸を歩いていくこともできる(約8km)が、センター周辺を歩くだけでも十分楽しめるので、自身の予定と体力で決めよう。

種差海岸遊歩道

【基本情報】
住所:青森県八戸市鮫町中道
駐車場:種差海岸インフォメーションセンター駐車場北(無料)

■装備と注意事項

蕪島神社では、ウミネコを刺激しないことと、鳥のフンに気をつけよう。気になる人はビニール傘は必須アイテムだ。遊歩道を長距離歩く場合は、水、シューズ、地図、杖などトレッキングに必要な装備も忘れずに。

■青森に春の潮風を感じに行こう!

ウミネコの繁殖地 蕪島神社、ハリー・ポッターに出てくる古城のような展望台、天然芝が海岸線ぎりぎりまで広がる種差海岸と花々で彩られた種差海岸遊歩道など、どれもが春の訪れを待って訪れたいスポットだ。

冬の静寂が終わりを告げた青森県南部の海岸に、潮風が心地よく吹き始めるのを感じに行こう。

© 株式会社双葉社