フジテレビ系で4月6日からスタートする、東海テレビ×日本映画放送 共同製作連続ドラマ「おいハンサム!!２」（土曜午後11：40）の第1話プレミア試写会が開催され、抽選で選ばれた約100人が参加。主演を務める吉田鋼太郎、漫画家で原作の伊藤理佐氏、脚本・監督の山口雅俊氏が舞台あいさつに出席した。
「おいハンサム!!」は、2022年に東海テレビと日本映画放送がタッグを組んで共同製作した、家族×食×恋をテーマにしたコメディードラマ。何かと融通が利かない父・伊藤源太郎（吉田）と、男を見る目がない3姉妹の長女・由香（木南晴夏）、次女・里香（佐久間由衣）、三女・美香（武田玲奈）、そしてすべてを超越した母・千鶴（MEGUMI）が織り成す物語だ。6月21日には「映画 おいハンサム!!」も公開される。
試写会終了後、たくさんの拍手を浴びて観客の前に登場した吉田は、試写会の倍率が40倍だったという事実に驚き、「それを聞いて感謝の気持ちがどんどんこみ上げてきて、たくさんの方々に応援していただいていると思うと素直にうれしいですし、楽しんでくれたらいいな、期待を裏切っちゃいけないなという複雑な気持ちになりました」と心境を告白。
伊藤氏も「いつも暗い部屋で漫画を1人で描いているのに、こんな明るいところで監督と吉田さんと40何倍の倍率をくぐりぬけて来てくださった皆さんと、第1話を一緒に見ることができて、本当にうれしいです！」と喜んだ。
続けて、本作を見た感想を聞かれ、吉田は「面白かったです！」と即答。「内容も知っていますし、撮影をしているにもかかわらず、何カ所か爆笑してしまうシーンがありました」と明かした。観客も、吉田がコルセット姿で演技するシーンで爆笑していたが、吉田はその場面に触れて、「それは山口監督が仕掛けた僕に対しての嫌がらせなんです」と説明。「鋼太郎は演技をうるさくやり過ぎると思っていると思う。僕にもその自覚は多少あるので、だからコルセットで僕の自由を奪いに来たんだなと思いました」と、冗談混じりで述べた。
さらに、「監督はそんなに口うるさく注文をする人ではないんですけど、割と変更が多い。それは悪いことではないんですけど、いいものを作るために少し変えてみようかとおっしゃるんですが、実は少しじゃないんですね。ものすごくたくさん変わるところがあるんですよ」と苦笑。
しかし、その場で新しいことを覚えて、すぐに演技をするということも悪くはないようで、「覚えたセリフを言うので、精いっぱいな状況で、プランしてきた演技がもちろんできない。ただセリフを言うだけという状態に陥るわけです。ところが、実際に仕上がった映像を見てみると、これが意外とよかったりする。それは僕だけじゃなく、ほかの出演者にも当てはまるんです。すると、『今まで自分がやってきた演技は何だったんだろう？』と思うわけですよね。だから、山口さんが吉田鋼太郎の新しい一面、“演技をなるべくしない吉田”というのを作ってくれたんです。演技しないことに開眼させてくれた一種の恩人でもある。それも含めて、山口さんの演出を受けることも楽しいし、出来上がった作品を見ることも、すごく僕にとっては非常に楽しい有意義なことなのでございます」と語った。
吉田から演出を絶賛された山口氏は「ありがとうございます！」と礼を述べつつ、コルセットのシーンについて話し始める。「助監督に『最後の首の回る合成カットが勝負だから』と言ってやっているうちに、この合成はうまくいかないなと感じたんです。でも、吉田さんの首が思ったよりもうまく回っていたので、合成カットは数秒しか使っていなくて、実際に鋼太郎さんがコルセットの中で首を回していらっしゃったんです」と話すと、吉田が「あれ、合成ちょっと入っているの？」と問いかけ、「撮影の時に合成で首がぐるんと回るようにするからと言われていて、それ楽しみにしていたんですよ。『エクソシスト』という映画で、悪魔に取りつかれたリーガンの首がグワ～ンと1周するシーンがあるんですよ。そういうふうになると思っていたんですけど、そういう予定ではなかったんですか？」と質問。会場は笑いに包まれた。山口氏は少し違和感があるぐらいにする予定だったことを伝え、吉田は「そうですよね。あの番組で首が1周したらおかしいですよね」と納得していた。
その話を聞いた伊藤氏は「あれ、自前で回していたんですか？」と驚き、「さすが～、鋼太郎！」と笑い、続けて「撮影現場で鋼太郎に抱かれた」とあちこちで言いふらたという伊藤氏が、ことの真相を話し始める。「とても寒い日で、吉田さんが私の背後からサッとダウンをかけてくれたんですよ。それとは別の日、一緒に写真を撮ってもらった時は、さりげなく腰に手を回してくださって。ありがとうございます（笑）」と、吉田の“ハンサム”エピソードを明かした。
そして、ドラマ化の話が来た時「詐欺だと思った」という伊藤氏と、「まさかそう思われていたとは…」という山口氏のやりとりや、吉田と山口が出会ったきっかけの飲み会がこの作品につながったという話で盛り上がった。
その後、「映画 おいハンサム!!」の特報が初公開され、吉田が「なぜか映画化って気持ちですよ」と話すと、伊藤氏は「ハリウッドが見えた！」とニヤリ。加えて、伊藤氏が「地味に1人で漫画を描いていて、それが面白い監督に見つかって、私を抱いたハンサムな吉田さんに演じてもらって、面白がってくれる皆さんが今日もたくさん来てくださって、本当に漫画ってすごいなと思っています」としみじみ。
次に山口氏が「映画化して変にパワーアップして、ちょっと違う感じになったというようなことがないようにできていますので、ここに来ていただいた皆さんもぜひご覧になってください」とアピール。吉田も「撮影していた自分が、ワクワクドキドキして、どういうふうに映画になってスクリーンで映し出されるんだろう、早く見たいなと、出演している本人も本当にそう思っています。すごく面白くて皆さんに楽しんでいただける作品で、『おいハンサム!!』テイスト満載のギュッと詰まった映画になっていると思いますので、ぜひご期待くださいませ」と笑顔を見せた。
最後に、吉田は「このドラマは、ありそうでない、なさそうである、このギリギリのところをいっています。前作でも登場しましたが、源太郎が腹巻でコート着て、ステテコはいて、（ゴルフの）6番アイアンを持って外を走るということは（現実では）ない」と前置きしつつ、「ひょっとしたら、そういう人がいるのかもしれないというふうに、これをどうやって見たらいいのか今一つつかめないまま、それでも最後まで見てしまうドラマというのはなかなかない。何が正しくて、何が間違っていて、何が希望で、何が絶望で、どう生きたらいいのか分からない。僕らはいつも答えの出ないところにいるかもしれないけれど、このドラマを見ると、その答えが出なくてもいいんじゃないかと、妙な勇気のもらい方をする。これは、なかなかありそうでないドラマだと思う。これからも期待して応援していただきたいし、これからも『おいハンサム!!』を育てていきましょう」と熱く呼び掛けた。
