12歳の男の子がヘアドネーション 宇都宮

とちぎテレビ

医療用のウイッグ(かつら)を作るために髪の毛を寄付する活動「ヘアドネーション」に取り組む男の子が宇都宮市にいます。「ヘアカットの日」とされている4月5日のきょう(5日)、男の子は3年間伸ばし続けた髪を切りました。

学校の椅子の背もたれにかかる長い髪の毛、宇都宮市に住む塩田学人くん12歳です。学人くんは先月(3月)小学校を卒業したのを機に伸ばした髪の毛をカットして、ヘアドネーションを行います。

ヘアドネーションとは、病気や事故で髪の毛を失った子どもたちの医療用ウィッグを作るために、髪の毛の一部を寄付する活動です。医療用ウィッグをひとつ作るために必要な寄付は、およそ30から50人分と言われていて継続的な支援が求められています。

学人くんは、小学校に入学したころから少し長めのヘアスタイルをしていましたが、小学4年生の時に母親の玲子さんの提案でヘアドネーションに挑戦することを決めました。髪の毛を伸ばした続けた3年間、学校の友人から「女の子みたい」などと言われることもありましたが、説明を続けることで徐々に理解の輪が広がっていきました。これに加えて学人くんの背中を押したのは、ことし(2024年)1月に亡くなったおばあちゃんが最期に残した「社会に貢献できるような人になって」という言葉でした。

中学校への入学が迫ったきょう(5日)、伸ばしてきた髪の毛を切りに美容室を訪れました。美容室は、ヘアドネーションの活動に賛同して年間30件ほどヘアドネーションのカットを行っている「KEIJI CLASS」です。

少し緊張した面持ちの学人くん、これまで髪の毛は母親の玲子さんに切ってもらっていたため、この日(5日)が人生で初めての美容室です。カットに入る前に入念なカウンセリングをし髪の毛を部分ごとに束ねていきます。いよいよ髪の毛にはさみが入ります。始めは学人くん自らの手で。学人くんに続いてはさみを入れた母親の玲子さんの目には光るものがありました。

今回寄付ができる髪の毛の長さはヘアドネーションの団体が定める条件の31センチ以上を大きく上回る50センチとなりました。学人くんの髪の毛は、ヘアドネーションの団体に送られたのち、医療用のウィッグに生まれ変わります。

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