カナダ雇用者数、3月は2200人減 6月利下げ開始の観測強まる

[オタワ 5日 ロイター] - カナダ統計局が5日発表した3月の雇用統計は雇用者数が前月より2200人減少した。失業率は0.3ポイント悪化の6.1%と2022年1月以来、2年2カ月ぶりの高水準となった。雇用者数減少はサービス産業での減少が主因。

ロイターがまとめた市場予想は、雇用者数が2万5000人増、失業率は0.1ポイント悪化の5.9%だった。

雇用統計発表後、カナダ銀行(BOC、中央銀行)が6月に政策金利の引き下げを始めるとの金融市場の予想が76%となり、発表前の67%から上昇した。今月10日に結果を発表する次回会合では据え置き決定が見込まれている。

アナリストやエコノミストはカナダ中銀が米連邦準備理事会(FRB)に先んじて利下げに踏み切る可能性が高いとの見方を示している。

CIBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、アンドリュー・グランサム氏は投資家向けのメモで「今年序盤の好調な国内総生産(GDP)を受けて市場はカナダ中銀の利下げ開始観測を後退させていたが、今回の雇用統計を受けて利下げ開始観測が強まるだろう」とコメントした。

正規雇用の平均時給は前年同月比5.0%増え、増加幅は2月の4.9%から拡大した。

© ロイター