"最大18m"の強風の中で着岸試み大型フェリーを『座礁』―船長を書類送検「行けると判断したが…」→約5時間後に風向き変わり抜け出す 2023年12月の北海道苫小牧港で

フェリー座礁事故で船長を書類送検した苫小牧海上保安署

2023年12月、北海道の苫小牧港で、大型フェリーが浅瀬に乗り揚げた事故で、フェリーの船長の男が書類送検されました。業務上過失往来危険の疑いで書類送検されたのは、新日本海フェリー「フェリーらいらっく」の船長の男(当時49)です。船長は2023年12月17日午前0時30分ごろ、北海道厚真町の苫小牧港東港区周文ふ頭にフェリーを着岸させる際、海岸に乗り揚げ、航行不能にして往来に危険を生じさせた疑いが持たれています。苫小牧海上保安署によりますと、フェリーは福井県敦賀港へ向かう予定でしたが、低気圧の通過に伴い「強風注意報」などが出されていて、天候不良のため欠航が決まっていました。事故直前の17日午前0時すぎ、別の船が港へ近づいたため船長はフェリーを移動させていて、再び着岸させようとして流されて海岸の浅瀬に乗り揚げていました。座礁直前には南南西の風13~15メートル、瞬間最大で18メートルの強い風が吹いていました。フェリーは動けない状態となりエンジンを止めていましたが、約5時間後の17日午前5時20分ごろには風向きが変わり座礁から抜け出すことができていました。当時フェリーに乗客はおらず乗組員29人にケガはなく、また船底の傷も少なく油が漏れ出す被害もありませんでした。苫小牧海上保安署は、航行を指揮する船長が座礁を防ぐために必要な注意義務を怠り事故を起こしたとして、4月2日に書類送検しました。調べに船長は「行けると判断したが座礁してしまった」などと話しています。

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