Z世代の個性的なオフィス空間、ワークスペースを自分好みに―中国

個性的なオフィス空間がますます広がり、ワークスペースを飾るという意味の「デスクテリア」が若者の間で流行語になっている。

60元(約1200円)で「禁止蕉緑(お悩み禁止、バナナを表す中国語「香蕉」と不安を表すの中国語「焦慮」の音が似ていることにかけたシャレ)」のプレート付きバナナが手に入り、30元(約600円)あれば「柿柿如意(何でも思い通り、トマトや柿の中国語と何でもという意味の「事事」の音が似ていることにかけたシャレ)」のプレート付きミニトマトが手に入る。浙江省杭州市のメディア産業で働く馬牧牧さんが買ったユニークな植物が、職場の同僚の間で注目の的になっている。

SNSプラットフォームでは、馬さんのようなZ世代が次々に「オフィス農家」の仲間入りを果たし、野菜や果物が「ワークスペースの相棒」になり、育てながら収穫して食べる様子が伝えられる。バナナやトマト、パイナップルなどの土を使わない水耕栽培に新たな市場が開かれることにもなった。

馬さんは、「バナナは育てるのに手間がかからない。水やりして室温に置くだけでよく、時間がたてば、自然に成熟して食べられるようになる。バナナには『不安禁止』の意味が込められている上、自分は毎日ちょっとした期待を胸に出勤するようになった。熟したら食べられるし、同僚との交流を深めるのにも役立つし、一石多鳥だ」と話した。

現在、個性的なオフィス空間がますます広がり、ワークスペースを飾るという意味の「デスクテリア(デスク+インテリア)」が若者の間で流行語になった。働くZ世代はこれまでの引き出し収納や腰痛クッション、健康グッズなどが持っていた実用的な価値より、オフィス空間が自分に与える情緒的な価値をより重視する。

若いデザイナーの戴青さんは、季節ごとにワークスペースのテーマカラーを決めており、これは心地よさをキープし、創作のインスピレーションを得るための「一人ヨガ」だという。「寒い冬のワークスペースは濃いグリーンで包み込む一方で、春になれば視界のほとんどが生花で埋まるようにしている。毎朝30分早く会社に来て、植物に水をやり、熱いお茶を入れ、そして加湿器のスイッチを入れると、まるで天然の酸素バーにいるような状態になり、心が落ち着くようになる」と話す。

多くの業界関係者が「職場の環境は人々の働き方にかなり大きな影響を与える。自分好みにワークスペースを飾ることで、若者は小さな空間の中で快適さと楽しさを感じることができ、仕事への積極性と創造性を高めることができる。同時に、若者の帰属意識が高まり、職場の中でより多くの小確幸(小さいけれど確かな幸せ)を得られるようになる」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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