〝NO MORE オドーア〟。巨人・阿部慎之助監督(45)が助っ人たちと、これまで以上に綿密なコミュニケーションを図っている。
5日のDeNA戦(東京ドーム)で、チームは相手先発・東を攻略できず1―2で惜敗。借金1となったものの、試合後の指揮官は「いい形はつくったので、あと1本出るか出ないかだけ」と冷静に振り返った。
そんな中、長いペナントレースを戦い抜くために指揮官は外国人選手たちのケアを重要視。この日の試合前練習中、グラウンドの中堅付近で登板前日の調整を終えたフォスター・グリフィン投手(28)と通訳を交えて歓談したが、その時間は約30分にも及んだ。
グリフィンも時折、身ぶり手ぶりを交えながら大きなジェスチャーで応じた。ローテの柱を担う左腕は「(話したのは)いろんなこと。野球のこともあるし、野球じゃないことも」と指揮官との会話について振り返った。肝心の内容については「たわいないこと。たわいないだけにパッと思い出せない」とけむに巻いたが、その表情には充実感が漂っていた。
開幕直前の3月26日にメジャー通算178発の新外国人ルーグネット・オドーア外野手(30)が、二軍再調整を拒否して退団。同31日には昨年9月に育成契約を結んだ右腕ユーリ・ラモス投手(26)がメジャーを目指してチームを去った。
まさかの〝退団ドミノ〟を受け、チーム関係者は「阿部監督はこれまでも外国人とは積極的に会話をしてきたし、スペイン語を使って直接話をすることもあった。これ以上の離脱はさすがにチームへの影響が大きい。監督自ら細心のケアをしてくれている」とうなずいた。
異国で戦う助っ人たちにとって、指揮官との直接のコミュニケーションは何よりも励みになる。阿部監督がチームを1つにまとめ上げ、4年ぶりV奪回を果たすべく2024年シーズンを走り抜く。