中国水利部、4月1日に増水期入りを宣言、異常気候の影響で干ばつと洪水が併発

中国水利部は4月1日付で本格的増水期に入ったと宣言。今年は異常気候の影響を受けて全体としては干ばつと洪水が併発し、洪水の方がより深刻と見込まれる。写真は江西省南昌市。

中国水利部は4月1日付で本格的な増水期に入ったと宣言した、と中国メディアが報じた。今年は異常気候の影響を受けて全体としては干ばつと洪水が併発し、洪水の方がより深刻と見込まれる。

大河川による分類では中国には七つの流域がある。各流域には降水と河川の水量により違いがあり、増水状況も大きく異なる。一般的に長江、珠江、太湖などの流域が南部エリア、黄河、淮河、海河、松花江、遼河などの流域が北部エリアとされる。南部エリアの増水期は一般的に4~10月、北部エリアの増水期は一般的に6~9月になる。

中国国際テレビ局(CGTN)によると、今年に入ってからの中国の平均降水量は平年同期に近い61ミリだったが、珠江水系の西江、北江、東江および長江流域中下流などの主要河川からの水量は平年同期より2~6割少ない状態だ。

水利部情報センターの侯愛中水文首席予報官は「今年の増水期には干ばつと洪水が併発し、洪水の方がより深刻だ」と説明。全国の七大河川のいずれもで、豪雨と洪水が程度に違いはあれ発生する恐れがあり、一部地域では一時的な干ばつに見舞われる恐れがあると予測される。

中国は地域が広く東西南北に大きく広がっており、地勢は西高東低なので、水資源の時空分布が極めて不均衡。全体としては夏に増水、冬は干ばつが発生し、北部は水が不足し、南部は豊富という特徴がある。そのため、増水期は降水と河川の水量の特徴に基づいて定められている。

侯予報官によると、3日連続で累積雨量が50ミリ以上の雨域の面積が15万平方キロに達したり、もしくは水文ステーションで警戒水位を超えたりした場合に、その日に増水期に入ったと判断される。ただし、増水期入りが4月1日より遅れた場合には、4月1日を増水期入りの日とする。増水期の終了日は各地でその年の増水状況に基づいて決められる。

最近、中国の天候は不安定。中国メディアによると、3月末、江西省南昌市の集合住宅では20階の部屋で60代の祖母と11歳の孫が寝ていたところ、吹き込んだ強風によりマットレスごと外に投げ出され、2人共転落死した。また、同じ集合住宅の11階で寝ていた60代女性も強風により窓の外に投げ出されて転落死した。現場では窓が枠ごと吹き飛ばされていたという。

当時、現地は暴風雨が吹き荒れていたといい、同集合住宅の高層階では多くの部屋の窓ガラスが割れたほか、木がなぎ倒されて駐車してあった多くの車にも被害が出た。住宅管理会社の担当者は「今回の事故は天災だ」と述べている。(編集/日向)

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