京本大我と田中樹の“きょもじゅり”、春ドラマでの活躍 SixTONES演技班の層の厚さ

京本大我と田中樹の“きょもじゅり”コンビが、俳優業で躍進を遂げている。

SixTONESの演技班といえば、2021年放送のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で朝ドラ初出演を果たしたあと、映画『すずめの戸締まり』(2022年)で声優としても高い評価を得た松村北斗や、昨年放送のドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で南海キャンディーズの山里亮太に憑依しているとまで思わせるほどの名演技を見せた森本慎太郎が思い浮かぶが、“きょもじゅり”も、その2人に匹敵するほどの活躍っぷりを見せている。SixTONESの層の厚さには、本当に驚かされるばかりだ。

まず、京本に関しては舞台のイメージを持っている人が多いと思う。実際、2015年に上演された舞台『エリザベート』でルドルフ役を演じたのを皮切りに、ミュージカル『恋する♡ヴァンパイア』(2018年)、舞台『「BOSS CAT」 ~シャルル・ペロー「長靴をはいた猫」より~』(2018年)、ミュージカル『HARUTO』(2019年)、ミュージカル『ニュージーズ』(2021年)、ミュージカル『流星の音色』(2022年)、ミュージカル『シェルブールの雨傘』(2023年)、そして今年の8月より上演されるミュージカル『モーツァルト!』と、ひっきりなしに舞台・ミュージカルへの出演が続いている。

そのため、特にデビュー後は舞台を中心に活躍していくのかと思われていたが、2022年放送の『束の間の一花』(日本テレビ系)で、約7年ぶりのドラマ出演でいきなり主演を務めたのをきっかけに、『ハマる男に蹴りたい女』(2023年/テレビ朝日系)など、ドラマでの仕事も増えてきているのだ。

注目したいのが、京本が演じる役柄は“難役”と呼ばれるものが多いこと。たとえば、『束の間の一花』で演じたのは、余命宣告を受けた哲学講師。そのため、京本はラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)などで、大好きなラーメンを我慢して厳しい減量に挑んだことを明かしていた。そのほか、昨年放送のドラマ『ラストマンー全盲の捜査官ー』(TBS系)第8話では、バスジャック犯を熱演し、話題を集めていたことも。6月28日に公開される主演映画『言えない秘密』では、ピアノが弾けなくなってしまった音大生を演じることも決まっている。ストイックに演技に向き合ってきた結果、映像仕事でも評価されているのだろう。

4月2日からスタートした主演ドラマ『お迎え渋谷くん』(カンテレ・フジテレビ系)では若手売れっ子俳優の渋谷大海を演じる。恋を知らない渋谷が田辺桃子演じる保育士の青田愛花との恋に落ちていく過程を描いていく今作。2話の予告では保育園を無邪気に走り回ったかと思えば若手俳優のキャラクターらしくキリッと撮影に挑む様子が映されており、数秒の映像でも目まぐるしく変化するキャラクターが話題となっていた。京本は今作を通じてまた大きく成長することだろう。

そして、ダウンタウンの浜田雅功がMCを務める『ハマダ歌謡祭★オオカミ少年』(TBS系)に、ジェシーとともにレギュラー出演している田中は、“バラエティ”の印象が強い。しかし、最近の活躍を振り返ってみると、俳優業での活躍も増えている。田中自身も、『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』で、「役者業が忙しくて、最近あまりバラエティに出れていない」と話していたこともあった。

たしかに、昨年の10月期に放送されたドラマ『単身花日』(テレビ朝日系)で、物語の鍵を握る役柄を好演。そして、4月7日スタートのドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)でも、主演に続いて二番目の位置に名前が掲載されている。田中が演じる斉藤初は、主人公・織田照朝(間宮祥太朗)の中学時代の同級生であり、織田とともに悪魔の鍵を賭けて争う“アクマゲーム”に挑んでいくという内容。日本テレビが大型プロジェクトとして打ち出すこのドラマは、昨年の秋頃に撮影をスタートさせており、世界配信が予定されているところも含めて、かなり力を入れて制作していることが伝わってくる。今作が、田中の今後の俳優人生を変える一作になるのかもしれない。

2人のほかにも、4月27日スタートのドラマ『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)では、森本が満を持してGP帯で単独初主演を務めることが決まっている。SixTONESとしても、初の4大ドームツアー『VVS』の開催中で、5月1日には『お迎え渋谷くん』主題歌の「音色」をシングルでリリース予定。この春は、SixTONESの演技と音楽を堪能できる季節になりそうだ。

(文=菜本かな)

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