羽仁もと子との縁にも触れて 自由学園の図面も展示/青森県美ライト建築展

会場では羽仁もと子が創設した自由学園の模型(手前)などを堪能できる=2日、青森市

 八戸市出身のジャーナリストで、教育者の羽仁もと子と深い結びつきがあった米国近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの軌跡をたどる「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展が、青森県立美術館で開かれている。ライトが手がけた羽仁もと子創設の自由学園や帝国ホテル2代目本館の模型、肉筆図面など約420点を展示。建築だけでなく、芸術、教育、都市計画などに貢献したライトの幅広い思想に触れられる。5月12日まで。

 国内での回顧展は26年ぶりで、愛知県、東京都に続き、青森県が最終開催地。

 ライトは帝国ホテル建設中に羽仁もと子と出会い、生徒の自治と自由、実践を尊重する教育思想に共感し、自由学園を設計、建設。展示会場では、羽仁もと子が亡くなった際にライトが寄せたお悔やみの書簡や学園の生徒の様子も公開している。

 このほか、浮世絵が与えた作品への影響や自然との調和を重視する思想の背景などをひもといている。

 板倉容子学芸員は「緻密で絵画のように美しい設計図が際立つよう展示を工夫している。建築に詳しくなくても楽しめる」とアピールしている。

 観覧料は一般1500円、高校・大学生千円、中学生以下無料。【全文】

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