岩手町が薬代の助成スタート 「無低診」の住民対象、受診後押し

 岩手町は、調剤処方費(薬代)の助成事業を始めた。生計困難者を無料・低額で診療する無料低額診療事業(無低診)に該当する住民に対し、全額または一部を町が負担する。町によると、岩手県内初。患者の経済的負担を減らし、地域福祉の充実を図る。

 無低診は同町江刈内のさわやかクリニックが町内で唯一行い、現在2人が利用している。同クリニックの患者が隣接するオーロラ薬局沼宮内店で調剤を受け取った場合に町が費用を助成する。年間予算は15万円で、2024年度は5~10人ほどの利用を見込む。

 無低診は経済的な理由で医療費の支払いが困難な人を無料・低額で診療する制度で、調剤費は対象外となる。特に糖尿病患者は薬代が高額になるケースが多く、受診を控える患者もいるとみられる。

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