日本の期待と世界の注目。ラピダスの工場ができる北海道千歳市に熱い視線が注がれています。地価の上昇や企業活動が活発化する一方、「バブル」への懸念も。マチの今を取材しました。
建設が進むラピダス
国内大手8社が出資して設立されたラピダス。千歳市に建設中の工場は2027年を目処に、次世代半導体の国産化を計画しています。国の支援も総額9000億円あまりとなった日本の一大プロジェクト。
高まる不動産熱
その千歳市では、マチに大きな変化が起きています。「空き地ができればすぐマンションが建つ。熊本みたいになってほしい」（千歳市のタクシー運転手）高まっているのは不動産熱。3月発表された地価で、千歳市はラピダス効果で商業地の上昇率北海道トップ3を独占しました。地元の不動産会社によりますと、働く人が増えたことで家賃相場も上昇中。単身向け物件は1万円から1万5000円の値上がり、ファミリー向けも2万円から3万円ほど値上がりしました。現在500人ほどの建設作業員はピークとなる夏には4000人程度まで増えると見込まれています。
空き物件が減少
しかし…「駅周辺はほぼすぐ入れる物件はない状況。郊外に少し空きがあるくらい」（常口アトム千歳支店 大橋 一弘 支店長）ラピダス進出決定前は1200から1500ほどあった紹介可能な物件は現在、200から300ほどまで減少しています。
企業からの多くの関心が…
巨大工場ができるとマチはどうなるのか。マチ全体への波及効果が大きい巨大工場。ラピダスにも北海道外の多くの企業が関心を示しています。「（Qこれまで半導体関連の仕事は）特になくて。チャレンジしたいなって。ビッグウエーブに乗りたいっていうのもある」（三五北海道 小長谷悠葵さん）「北海道は人口減少することが明らか。（ラピダスは）非常に大きなチャンス」（TOPPAN 本保剛さん）
千歳市民の声は…
千歳市民からは期待と懸念の声が聞かれました。「期待はあります。商業施設などができれば」（千歳市民）「土地の値段が上がってきてると聞くので、永住を考えるなら早めに考えないといけない」（千歳市民）「地価が上がって固定資産税が上がってる。それに関しては困るんだよね」（千歳市民）ラピダスは1年後から試作ラインが稼働します。マチに次はどんな変化が現れるのか、千歳市から目が離せません。
