新天地で6戦5発と絶好調 FC東京MF荒木遼太郎がU-23日本代表に「描いたシナリオ」とは?

U-23日本代表の荒木遼太郎【写真:河合拓】

U-23アジア杯の臨むU-23日本代表メンバーに選出

日本サッカー協会(JFA)は4月4日、U-23アジアカップに向けたU-23日本代表メンバー23名を発表した。その一員に選ばれたFC東京のMF荒木遼太郎が翌5日の練習後に取材に応じ、パリ五輪の出場権獲得に向けての思いを語った。

今シーズン、鹿島アントラーズから期限付き移籍でFC東京に加入した荒木は、J1リーグ戦で6試合5得点という結果を出し、U-23日本代表のメンバー入りを果たした。すでに2022年にはA代表のトレーニングキャンプにも参加した経験を持つが、それ以降は負傷にも苦しめられており、今年3月のマリ代表とウクライナ代表との親善試合までは、22年4月から約2年、年代別代表からも遠ざかっていた。

U-23アジアカップのメンバー入りについて、荒木は「素直に嬉しかったです。いろんなプレッシャーがあると思うんですけど、自分は楽しんでやりたいなと思います。厳しい戦いを経験できるのは、自分としても嬉しいことですし、そういう試合ほど自分は楽しみ」と、パリ五輪の出場権を懸けた戦いへの思いを語った。

そして、「レンタルに出してくれた鹿島にも感謝していますし、受け入れてくれた(FC)東京にも感謝しています。そのなかで活躍してパリ五輪を目指すU-23日本代表に入りたいと思っていましたし、それが本当に自分の描いたシナリオ通りになってきました。パリ五輪の切符を掴めたら、もっと自分が本当に描いたシナリオ通りになると思う。活躍してパリの切符を手に入れたいなと思っています」と、期限付き移籍前から描いていたストーリーの実現に意欲を見せた。

FC東京に加入した直後は、まずJリーグの試合に出場することを強く意識し、U-23日本代表のことは、「活躍したらあるくらい。頭の片隅にあったくらいだった」という。だが、「一時は代表への思いも薄れていたんですけど、(3月に)また入ってやってみて『やっぱりまたここでやりたいな』と思った」と、心境の変化を語った。

その3月シリーズで大岩剛監督の下でもプレーしたが、指揮官に求められている役割については「まずゴール、アシストもそうですし、攻撃を自分がスムーズにさせたり、(ボールをつなぐ)中間の役割だったりが求められているところかなと思っています」と解釈したという。

大岩監督はメンバー発表の際、荒木の守備面についても評価するコメントをした。荒木は「守備の部分は(FC)東京に来てから、本当に前線から頭を使って守備をするようになったので、そこはこっちに来てからの経験値もあると思う。試合に出たら守備のやり方も毎試合、毎試合違ってくるのでそこで学べていますし、やっぱり試合で得るものが大きい」と、ピッチに立つことで成長できている実感を口にした。

荒木の年代は、新型コロナウイルスの影響もあってU-20ワールドカップ(W杯)の開催が中止になっている。U-23日本代表は、年代別代表として最後の活動機会になる。荒木は「この世代で、同世代の中で戦える最後の世界大会がパリだと思っているので、本大会には絶対に出たい。そんな経験は二度とできないと思うので、国を背負って戦って来たい」と、パリ五輪の出場権獲得を誓った。(河合 拓 / Taku Kawai)

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