京都府宇治市は市公式LINE(ライン)を通じて、市民や町内会・自治会が管理不全の空き家の情報を市へ通報できる仕組みをつくった。届いた空き家に関する写真や位置情報を基に、必要に応じて所有者へ改善を促す。
市はLINEに「街のれんらく」という項目を設け、道路や樹木、公園遊具の損傷、鳥獣の死骸の情報提供を呼びかけている。4月からその項目に空き家を追加した。
通報内容は▽建物の損傷▽敷地を越えた草木▽虫や動物▽防火・防災・防犯の状況―などで、24時間受け付けている。
情報は建築や環境などの関係課で共有し、職員が現場を確認した上で、所有者へ伝える。改善が見られない場合は指導する。
市住宅課によると、市内の空き家は管理されているものも含め約8千戸で、全体の約1割に上るとみられる。今後は高齢化に伴い増加が予測され、管理不全の空き家への対応がますます課題となる見通しだ。
従来、空き家の情報は電話や市役所窓口、メールで受け付けており、昨年度は約80件あった。同課は「LINEでたくさんの情報を手軽に提供してもらい、円滑な対応につなげたい」としている。情報提供は市公式LINEを友だち登録すれば行うことができる。