「ペースがあることを示せた」角田裕毅、日本GP初日はトップ10入りで好感触! 専門メディアは「観客の愛情を受けながら好パフォーマンスを発揮」

F1第4戦の日本グランプリが開幕し、4月5日にはフリー走行1回目、2回目(FP1、FP2)が実施された。

ホームグランプリを迎えたビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、ドライコンディションのFP1では20周回を重ねて全体9番手となる1分31秒230のベストタイムを計測。しかし、その後に雨が降ったことでFP2ではまともな走行ができず、8周回に止まり、こちらのベストタイムは1分40秒946(4番手※タイムを出したのは5人のみ)だった。

大事なセッションを天候によって台無しにされたものの、角田はチームの公式サイト等を通して、「日本のお客さんの前で鈴鹿に戻ってこられたのは素晴らしいことです。とても楽しかったし、良い気分でした。我々チームにとっては、ポジティブな初日になりました」と金曜日を振り返り、以下のように続けている。

「FP1では良いスタートを切り、トップ10でフィニッシュし、ペースがあることを示せたと思います。グレードアップしたフロアは低速コーナーをターゲットにしたものであり、このコースは中高速コーナーが多いので、あまり効果は期待できないと思います。FP3までに、改善できる幾つかの点を微調整し、予選に向けて上手くパッケージをまとめ、パフォーマンスを引き出すことに集中します。この週末はとても特別ですが、まだ金曜日です。全力を尽くし、最大限の成果を達成するために戦うことを楽しみにしています!」

RBのレーディングディレクターであるアラン・パーメインは、フロアのアップグレードについて「フロアはユウキの車に装着され、非常に正確な評価を得ることができて良かった。新しいフロアには満足しており、予想通りの結果が得られ、残りの週末では両方の車で使用する予定だ。ユウキはすぐにスピードに乗り、極めて順調な朝(FP1)を過ごした。彼は車のフィーリングについて、とても良く、バランスに満足していると語っている」と明かした。
国外のメディアの報道では、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は「角田は雨のため、2回目のセッションであまり走行ができずデータが不足した状態に陥っているものの、ファンとの再会を喜んだ」と伝え、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、FP2で長くラップタイムのトップに角田の名前が掲載されていたものの、終了間際に他ドライバーに更新されたことを、「オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の終盤の奪取が日本人や母国ファンの心を打ち砕いた」と表現している。
一方、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「地元F1ファンのアイドルであるユウキは、鈴鹿での最初のフリー走行で9番手を獲得。日本人ドライバーは、観客の愛情を受けながらコースに出て、シーズン初めから苦戦しているRBにとっての良いパフォーマンスを発揮した。ファエンツァのチームはライバル同様に、日本にアップデートを持ち込んだが、それはポジティブな結果をもたらしたようだ」と伝えた。

ちなみに、FP1ではダニエル・リカルドに代わり、レッドブル・ジュニアチームの一員で、今季はスーパーフォーミュラに参戦している岩佐歩夢が出走。22周の走行で1分32秒103(16番手)という角田から1秒以内の差のベストタイムを計測。走行後には、「鈴鹿は何度もドライブしていますが、F1で走るのは全く違ったものであり、素晴らしく特別な気分でした。今後に向け、良い経験ができました(中略)。今日のドライブのおかげで、今後頑張り続けるためのさらなるモチベーションが得られました」とコメントを残している。

構成●THE DIGEST編集部

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