巨人・大勢が球団日本人最速160キロマークで…いよいよ懸念される「右上肢」の再故障

大勢(C)日刊ゲンダイ

巨人の守護神・大勢(24)が5日、今月3日に台湾東部で発生した地震の被災地を支援するため、山崎伊と東京ドームの通路で募金活動を行った。2人は試合前練習後、自らの意思で参加したという。

その大勢は4日の中日戦に登板し、自己最速にして球団日本人最高の160キロを2度マーク。三者連続三振で今季初セーブを挙げた。昨季日本一の阪神との開幕戦も打球を前に飛ばさせず、今季は計2イニングで打者6人から全て三振を奪う圧巻の投球を披露している。

キャンプ序盤に右ふくらはぎを痛めて離脱。三軍でリハビリを生活を送りながら、なんとか開幕に間に合わせたとは思えない状態の良さである。

ただし、故障箇所の足より怖いのは、昨季痛めて離脱した際に巨人が発表した「右上肢」である。これは右腕全体を指す言葉だが、なにせ常人離れした160キロを連発している。尋常でない負荷が、昨季故障した右肘や右肩にかかっているはずだ。

ドジャースの大谷が受けたとされる「ハイブリッド手術」の執刀経験がある京都府立医科大整形外科の木田圭重医師は、「(故障は)球速が上がると肘にかかる力が変わる。球速の上昇が主な原因。大谷選手が右肘を痛めたのは、靱帯の負担に比例する球速だから。ボールにかかる人さし指と中指の腱は浅指屈筋といって肘の内側につながっており、肘内側側副靱帯とも連結している。大谷選手が投げる160キロを超える速球やスイーパーなどの球種では、肘の内側の筋肉や靱帯に大きな負担が生じます」と本紙で解説していた。

巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏がこう言った。

「痛めたのが右肘なら、まだごまかしが効くが、肩痛はごまかして投げられない。肩の方が厄介です。今は160キロの剛速球を投げているから状態はいいのでしょう。昨年痛めたのが肘でも肩でも、これだけの球速だから、慎重に起用しないといけない。今年はキャンプの大部分をリハビリに費やしているため、練習量が足りていないから、なおさらです。腕の振りが速いのはいいが、肩が飛ばないかヒヤヒヤしながら見ています。状態が良すぎて怖いくらいです」

巨人は5日のDeNA戦を1-2で落とし、再び借金1。守護神の出番はなかった。

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巨人の投手陣と言えば、菅野に「来季投手コーチ兼任案」が急浮上しているという。なんでも、ハワイ自主トレ組に有望株が続々で――。

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