長崎・追悼平和祈念館 子ども向け学習ノート配布、職員が内容など担当 案内役は“地域猫” 

平和学習ノートの内容を担当した葉山さん(右)と木場さん=国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎県長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は今月から、館を紹介する子ども向けの平和学習ノートを配布している。「素通りされがち」な館を知ってもらおうと、職員が内容構成とキャラクター原案を担当。こだわりの1冊が出来上がった。
 昨年の開館20周年に合わせて作成。原爆で亡くなった人を悼み、祈りをささげるスペースだが、観光客は「ここで何をしたらいいの?」と数分で帰ったり、素通りしたりすることも。広島の祈念館の「学習ワークブック」を参考に、広報担当の葉山沙代子さんが「足を止めてほしい」と内容を考えた。
 「知ってほしいことを分かりやすく」をテーマに、「水盤」「黒本」などのコーナーごとに6ページで構成。迷路のような館内の順路と同じように進み方も紹介し、修学旅行で来る小学生をメインターゲットに、大人も分かりやすい資料に仕上げた。
 ノート上で案内役を務めるのは、浦上の地域猫「ハク」と仲良しのハムスター「ハム」。当時の副館長、林尚之さんが発案し、事業課の木場留美さんがかわいらしいキャラクターを描いた。
 木場さんは「一つ一つに込められた願いが分かってもらえるのでは」、葉山さんは「ぜひ館に来てノートを持ち帰り周りの人にも伝えてほしい」と期待を込める。館内にはノートにあるクイズのヒントが隠れているほか、ハクとハムのスタンプもお目見え。ノートは同館地下2階の受付前などに置いている。

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