歴代オリンピックと世界陸上女子やり投優勝者の記録 北口榛花に高まる金メダルの期待

Ⓒゲッティイメージズ

パリ五輪女子やり投は8月10日決勝

パリ五輪でメダルを期待される一人が女子やり投の北口榛花だ。8月7日に予選、10日に決勝が行われる予定(いずれも現地時間)。2022年の世界陸上オレゴン大会で銅メダル、2023年の同ブダペスト大会では金メダルに輝いた北口に、女子フィールド種目では史上初の五輪金メダルが期待される。

改めて世界陸上の歴代金メダリストとその記録を振り返ってみたい。

高校、学生、日本記録を全て更新した北口榛花

北口がトレーニングの拠点にしているチェコの偉大なアスリートがバルボラ・シュポタコバだ。2007年の大阪大会と2017年のロンドン大会で優勝。2022年に41歳で引退したが、2008年にマークした72m28は現在も世界記録となっている。

ケルシーリー・バーバー(オーストラリア)は2019年ドーハ大会と2022年オレゴン大会を連覇。2023年ブダペスト大会銅メダリストで同じオーストラリアのマッケンジー・リトルとともに、5月19日に国立競技場で行われるセイコー・ゴールデングランプリ東京に出場する。

北口が優勝した2023年ブダペスト大会の記録は66m73。その後、同年9月8日のダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会で67m38で優勝し、日本記録を更新した。

ちなみに日本学生記録も2019年に当時日本大学だった北口がマークした66m00、高校記録も2015年に旭川東高校時代の北口が出した58m90となっている。

五輪の歴代女子やり投金メダリスト

続いて五輪の歴代金メダリストと記録を見ていこう。第1回世界陸上と同時期の1980年モスクワ大会以降は以下の通りとなっている。

北京、ロンドン連覇のシュポタコバ

先述のバルボラ・シュポタコバは2008年北京大会、2012年ロンドン大会を連覇。2016年リオデジャネイロ大会はサラ・コラク(クロアチア)、2021年東京大会は劉詩穎(中国)が優勝した。

やり投は男子が1986年、女子は1999年にルールが改正され、やりの重心の位置を前方にずらして飛びにくくした。飛びすぎると危険なための変更で、改正前は男子がウベ・ホーン(東ドイツ)の104m80、女子はソウル五輪金メダリスト、ペトラ・フェルケ(東ドイツ)の80m00が世界記録だった(現在の男子世界記録はヤン・ゼレズニーの98m48)。

最近の五輪女子やり投の優勝記録は2大会連続で66メートル台。67m38の自己ベストを持つ北口には、いやが上にも金メダルの期待が高まっている。花の都パリで弾ける笑顔が見られるか。



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