埼玉で交通取り締まり強化へ…自転車の人も要注意 新学期が始まり、新小学1年生が路上に…自転車通学を始める中高生も増 横断歩道で手を上げると、止まる車は8割以上 今回の取り締まり重点ポイントは

春の交通安全運動、6日スタート 15日まで実施

 春の全国交通安全運動が6~15日に実施される。今年1~3月の埼玉県内の交通事故死者は19人(概数)で、全国ワースト11位。前年同期に比べ5人(20.8%)減少しているものの、3月13~18日の6日間に5件の死亡事故が発生したことから県が同21~30日で「交通死亡事故多発警報」を発令するなど楽観視はできない。県警は運動期間中、重点目標を「自転車乗用時のヘルメット着用促進」「横断歩道での歩行者優先の徹底」に設定。新学期も始まる中、啓発活動や取り締まりなど、さまざまな取り組みを実践し、交通ルールの順守と県民の安全意識の向上を図る。

 県警交通総務課によると、1~3月の交通事故死者19人中、自転車事故で亡くなったのは2人で、前年同期に比べ3人減った。死者2人とも頭部に致命傷を負い、いずれもヘルメットは非着用だった。

 同期間の自転車事故による死傷者は1072人。うち、ヘルメットをかぶっていたのは142人で着用率は約13%だった。自転車ヘルメットの着用が全世代に努力義務化されてから1年経過したが、まだまだ浸透していない。

 歩行者の死者は2人減の7人。死傷者は632人で前年同期より36人減った。内訳は横断歩道を渡っていたのが242人で最多。次いで道路横断中が144人だった。

 県警が2021年の1、4、7月に、信号機のない横断歩道で手上げ(ハンドサイン)停止率を調査した結果、手上げなしの場合は49.8%だったのに対し、手を上げた場合は85.5%と8割以上の車両が止まったというデータがあり、同課は「ハンドサインで、自ら渡るという意思表示をしてほしい」と促す。

 運動期間中には新学期が始まり、通学路を登下校する新小学1年生や自転車通学を始める中高生も増えることから同課は「子どもたちの明るい未来を守るために、思いやりのある安全運転をお願いします」と呼びかけている。

 このほか、死者の状態別ではバイクが2人多い8人と増加。年齢層別では高齢者(65歳以上)が前年比10人減の7人で全体の36.8%。一方で40代が5人で4人増えた。また死者19人中、夜間(日の入り~日の出)の発生が15件で約8割を占めた。

 (今年1~3月の数字は全て概数)

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